ごんブロ

本や漫画や映画の感想が多めの日常ブログです

【書評】「金田一少年の事件簿外伝 2」から「私の頭が正常であったなら」まで

心臓まで貫かれないとなかなか読んだものについての感想文を書きたくならないけれど、本当に心の臓にまで達する作品に出会ってしまうと、心身が快復するまで書けないので、結果全然読んだものの感想文が書けていない、、、(この中間にあたる作品はサクッと書ける)という状況に陥っていたのですが、前者に関しては何作品かまとめてザッと書く分には負担が無いことに気づいたためさいきん読んだ7作品についてザッとご紹介。

 


金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(2)/さとうふみや天樹征丸金成陽三郎,船津紳平 

 

 
大人気スピンオフシリーズ第二弾。「金田一少年の事件簿に登場する犯人側の視点からのもう一つの事件簿。

1巻に引き続き手加減無しの面白さ。現在私が本当に声を出して笑う数少ない漫画の一つ(1位:ゴールデンカムイ、2位:中間管理職利根川、3位:金田一少年の事件簿外伝)。

もともと1巻は友人に借りた(外伝に該当する本編も一緒に貸してくれた)のですが、外伝が面白すぎて本編は魅力不足に感じてしまうほどでした。(そりゃ笑わせるつもりで描かれてないし)

 

1巻のパワーワード怪しさがすごい」に続く「知恵がすっごい」が好きすぎ。この漫画の語彙力のない言葉選びすっごい好き。

 

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(引用:金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(2))

 

 


腐女子のつづ井さん3 /つづ井

 

 
pixivコミックで連載されていた大好きな爆笑エッセイ漫画の最終巻。

3年間お疲れ様でした。

ゆかいでパワフルでエネルギッシュな腐女子達の絵日記はこれで終わりますが、つづ井ちゃん達の日常はもちろんこれからも続いていきます。

「自分で自分を楽しませる工夫をする」、これ以上に素敵な人生の過ごし方はないよね~~~ということを体をはって実証してくれる絵日記でした。

今巻でも好きなエピソードはありすぎるのですが個人的には相撲を取る回がいちばん好き。(Mちゃん弱すぎるのに吠えすぎてて好きすぎ。)

 


・オトナの小林くん4 /森生まさみ

 

オトナの小林くん 4 (花とゆめCOMICS)

オトナの小林くん 4 (花とゆめCOMICS)

 

 

白泉社の直営アプリ「マンガPark」スマホにダウンロードしているのですが、ここ一ヶ月くらいずっと「おまけの小林クン」を読んでいます。


15年くらい昔に漫画を描くのが好きなクラスメートが「少女漫画で唯一好き」と貸してくれた懐かしい漫画で、アラサーになって読むと確かにこの「おまけの小林クン」は飛び抜けて絶妙な青春コメディ漫画であることを再認識しました。他に形容しがたい、とにかくキャラクターとその関係性が絶妙で最高。

言ってしまうとむっちゃクサいことをクサい絵柄(※少女漫画らしい絵柄という意味で悪い意味ではない)でやっているんだけども、キャラクター造形と人間心理に信憑性があるが故に全然クサくないという、ものすごく高度な技術が使われたほのぼの漫画です。(クラスでいちばんモテる女の子ゆりちゃんの信ぴょう性すごい)

そんな「おまけの小林クン」の続編で、21歳になったこばやしーず・千尋の恋が描かれる「オトナの小林くん」。

吹雪と健吾のカップルが好きすぎるのでとりあえず4巻だけ読んでみたのですが、結果を申し上げますとこの二人まだ未然でした。(嘘だろ)(そこがいい)

 


・もう一人のケルサ /秋元奈美ジェシカ・スティー

 

もう一人のケルサ (ハーレクインコミックス)

もう一人のケルサ (ハーレクインコミックス)

 

 
ここさいきん読んだ中でベスト1ハーレクイン!!!

 
ハーレクインは水戸黄門みたいなものなので、似たような話が多いのは仕方がないし、それ故完成度や読みごたえもどんぐりの背比べという宿命を持ったジャンルなのですが(私見)、だからこそびっくりしましたよ「もう一人のケルサ」には。(倒置法)


ストーリー展開が飛び抜けて良いうえ、ヒーローのめまぐるしい内心を思ってはニヨニヨが止まりませんし、ラストはほろっと泣けるという、まさにハーレクインの贅を尽くした真髄。


ヒロインのケルサがヒーロー(上司)に言う「これ以上私に対して何かあるなら文書にして寄越せ」というせりふが今どき(訴訟仕様)っぽくてイイヨネ!

ちなみに私はハーレクインは電子漫画サイトRenta!で読んでいます。

Rentaはおすすめハーレクイン漫画は50ページもサンプル出ししているのですごい。。。商売うまい。。。

 

・狂王子の歪な囚愛~女体化騎士の十月十日~/早乙女もこ乃

 

 
これもRentaから。

むっちゃくっちゃエッロい。

さいきん読んだ中ではトップ、というか私は「女体化もの」がツボのもよう。 

別の機会で女体化ものエロ漫画の記事を書いた方がいい気がするのでここでは紹介まで。

 


・ワンダー Wonder/R・J・パラシオ

 

ワンダー Wonder

ワンダー Wonder

 

 
児童書。「カータンのブログ」で紹介されていたので私も泣きむせびたくて購入。

顔面に奇形を持って生まれた少年オーガストとその家族や友人の物語。

(自分には何の落ち度も無いのにも関わらず)差別される側の人間の話はこれまでだいぶ読んできた方なので、すでにハードルが出来ていたのか良本だけどそれを超えることはなかった、という感じ。要所要所の泣きイベントではしっかり泣いたけれども。

だけどミランダがヴィアと疎遠になった理由が正直納得いかないというか腑に落ちないというか、「ヴィアはまったく悪くないにも関わらず親友二人が疎遠になる」理由には弱すぎてモヤモヤ・・・

 

 


・私の頭が正常であったなら/山白朝子

 

私の頭が正常であったなら (幽BOOKS)

私の頭が正常であったなら (幽BOOKS)

 

 

乙一の別名義「山白朝子」の新作短編集。

久々に乙一の文章が読みたいなァ・・・とひっそり渇望していたらTwitterでプロモーションが流れてきたのでまさに渡りに船でした。

 

幻想文学作家「山白朝子」なせいか、求めていたほど乙一らしくはなかったのですけれど。

何故か子どもが死ぬ話ばかりなので読み終わってすこし気が沈みました。

書下ろし「おやすみなさい、子どもたち」がいちばん好きです。脳内でキャラクターたちがピクサーの絵柄で再生されていました。これもやっぱり子どもが死ぬ話でしたけれど。

 

まだまだ乙一の文章が足りないので「山羊座の友人」を買う予定。これはコミカライズが最高だったんです。

 

あとカー・オブ・ザ・デッドの続きは出ねぇのかよぉ!!!待ちます)

 

 

以上7作品でした。