ごんブロ

だいたい月に一度、本や映画の感想を書きます

2024年3月に読んだ最高の本と挫折した本

3月に早くもことし最高の1冊が現れたので、さきに書影をご紹介させて頂きます。 TATATと略したい たとえ私の感想は読まなくても、『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』のタイトルだけは、どうぞ覚えていって下さい。 以下、今月の読ん…

2024年2月に読んだ本とエンタメ

漫画をたくさん読んで、本があまり読めなかった月。 小説 青い壺/有吉佐和子 パチンコ(上・下)/ミン・ジン・リー いますぐ書け、の文章法/堀井憲一郎 嘘と正典/小川哲 漫画 スキップとローファー 3-4/高松美咲 九龍ジェネリックロマンス 1-9/眉月…

自分にとって最適な選書をするため、本を読む動機を解体してみた

‟人生は短いのに、読む本は多い” とは、書評家のDainさん*1の言葉であるが、けだし名言であると、齢を重ねるごとに思う。 会社員である私が一年に読める本は、だいたい50冊~89冊くらい。本を読むには体力と視力が要ることから、生涯で読める本には限りがあ…

2024年1月に読んだ本

1月のベストは朝比奈秋の「植物少女」です。 プロジェクト・ヘイル・メアリー/アンディ・ウィアー ほむら/有吉佐和子 物いう小箱/森銑三 男ともだち/千早茜 静かな人の戦略書/ジル・チャン(神崎朗子訳) 植物少女/朝比奈秋 アーモンド/ソン・ウォン…

2023年12月に読んだ本

年間ベストはこちらから gonzarezmm.hatenablog.com 12月は7冊読みました。 高校生からわかる「資本論」/池上彰 太陽の子/三浦英之 逆転美人/藤崎翔 草の花/福永武彦 鬼の詩/藤本義一 パッキパキ北京/綿矢りさ 嘘の木/フランシス・ハーディング 高校…

怪物的なエンタメ性と深み!2023年読書ベスト約20冊

2023年に読んだ本は78冊でした。 いままさに読んでいる最中の79冊めがフランシス・ハーディングの『嘘の木』で、もしかしなくてもベストランキング上位に食い込みそうな面白さなのですが、そうなった場合はしれっと追記したいと思います。 (※ハーディング『…

2023年11月の読書記録

坊主も走る師走なので、言葉すくなに、粛々と読書記録。 デイヴィット・レヴィサン『エヴリデイ』 多崎礼『レーエンデ国物語 月と太陽』 平野啓一郎『マチネの終わり』 高島俊男『本が好き、悪口言うのはもっと好き』 全卓樹『銀河の片隅で科学夜話』 須賀敦…

2023年10月の読書記録

10月の読書冊数はきりが良い10冊でした。200ページに満たない短編集や、読みやすい本も含まれているとはいえ、難解だったり、読んでいて全く楽しくなかった本も同じくらいあるので、私にしては快挙です。 去年も10月に読んだ本の数が最多だったので、10月に…

2023年9月の読書記録

今後も振り返りと読書記録はわけて記事にしようと思います。 三宅香帆『名場面でわかる刺さる小説の技術』 ガブリエル・ブレア『射精責任』 石井妙子『近代おんな列伝』 多崎礼『レーエンデ国物語』 田崎基『ルポ特殊詐欺』 藤崎翔『モノマネ芸人、死体を埋…

2023年8月の読書とエンタメ記録

読書とエンタメ記録が長くなったので、今月は振り返りとは分けて投稿します。 8月は風邪をひいた影響もあり、小説は3冊しか読めなかったけれど、その代わりに漫画や映画の摂取がはかどりました。以下は記録です。 映画 メタモルフォーゼの縁側 ニモーナ バー…

2023年7月の読書記録

初めての文学フリマの原稿が昨晩まで終わらなかったため、7月が振り返れません!! ということで、今回はさきに読んだ本の記録だけ残します。7月もとても良いお店との出会いがあったので、それについてはのちほどまた書いていきます。 それでは先月読んだ…

2023年6月の振り返りと読書記録

6月の振り返りです。もうことしの半分が終わったのか~と思うと、感慨深いような焦るような。意外とこの「振り返り」が今回で8ヶ月も続いていて、そのためかことしは例年よりも日々を噛みしめて生きているような実感があります。もぐもぐ。 きのう7月1日か…

2023年5月の振り返りと読書記録

5月は特に何もなく、ことし始まって以来最大にのんびり過ごしていたので、週ごとに振り返ります。 そういえばブログのプロフ画像を、長年使っていた友だち謹製の美ゴリラから、ロートレックの洗濯婦に変更しています。ちょっとした気分の変化というやつです…

2023年4月の振り返りと読書記録

4月もいろいろなことがあり、これまでのような週ごとの振り返りで書くと長くなりすぎるので、今回はためしにトピックスごとに振り返る書きかたでやってみる。 おでかけ 食べたもの 堺筋本町『YAICHIRO』 八尾市『とんかつマンジェ』 今里『炫屋』 本町『サ…

2023年3月の振り返りと読書記録

振り返って見ると、3月はお誕生月ということもあって、とても楽しいひと月だった。 ひきつづきこの調子で春を楽しみながら、4月以降もやっていきたい。 1week 2week 3week 4week 読んだ本 リディア・デイヴィス『話の終わり』 梓崎優『叫びと祈り』 井…

2023年2月の振り返りと読書記録

今月は3週目くらいまでは精力的に活動していたわりに、4週目はぱったりと引きこもっていたりと、落差が激しいひと月だった。出かけないのはいいとしても、何もしないと気持ちが腐ってしまうので、家にいるにしてもちゃんと消化するタスクを用意したほうが…

2023年1月の振り返りと読書記録

なんともう一年の8.5%が終わってしまいました。 今月から去年から使っている手帳の運用をさらに深めて色んなことを書いたり記録化したり、今年の年間目標などを立てたせいか、いつになく気が急くような感じがします。 日々を無為に過ごさず充実させたいとい…

2022年12月の振り返りと読書記録

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 短いお正月休みを精一杯堪能しながら、ブラックフライデーで買ったまま放置していたChromebookを初めて駆使して、この記事を書いています。 いやあ、Chromebook、めちゃくちゃ良い…

2022年に読んだ本ベスト22冊

2022年も残り2日ということで、今年読んだ本のベストランキングを発表します。 2022年現時点で読んだ本は82冊で、これから読もうとしている83冊目がこれまたベストランキング入りしそうな本ではあるのですが、先にこれまでに読んだ82冊から選出したベストラ…

2022年11月の振り返りと読書記録

さいきんよく読んでいるブログの人たちが、よく「前月の振り返り」を記事にしているのがイイナーと思ったので、安直に影響されて私も11月を振り返ってみます。 振り返りとしては11月は、関西の色んな博物館や展示を観に行った夏や、京都にひとり小旅行をした…

【100点】今年最高の小説の一冊『両手にトカレフ』を読んでほしい

僕に君のことなんかわかるはずがない。正直、君のリリックを読んだとき、そう感じて悲しくなった。でも、わからないから知りたい。わからない言葉の意味を少しでもわかるようになりたい。わかるための努力をしたい。だって人間は、わからないことをわかるよ…

聴く読書Audibleの石井妙子『魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣』でボロ泣きした

先月、Amazonが提供するオーディオブックAudibleが3ヶ月無料キャンペーンを開催していたので、満を持して入会しました。 www.audible.co.jp Audibleはふだんは1ヶ月間無料なのですが、年に一度のプライムセール期間中に3ヶ月無料の大盤振舞いをすることが…

2022年上半期の本ベスト約10冊

2022年も半分が終わりました。早すぎるよ!! ことし読んだのは6月末時点でまだ35冊(kindleの電子書籍を含むと40冊くらい)と、ゆっくりめのペースで読んでいます。 6月24日から市川春子の漫画『宝石の国』が無料で1万時間限定の全巻読み放題キャンペーン…

『三体』三部作を読破したので好きに語りまくる(ネタバレ感想)

世界中で大ヒットを飛ばす、中国産傑作SF小説『三体』を読み終わりました。第一部を手に取り、最終巻『三体Ⅲ 死神永世(下)』を読み終わるまでにかかった日数は、なんと延べ31日間。一ヶ月以上ものあいだ腰を据えて付き合ってきた本作には愛着もひとしお。…

SF音痴が傑作SF小説『三体』を二部まで読んだリアルタイム感想

空前絶後のヒットを飛ばした中国産傑作SF小説『三体』を読んでいます。 『三体』は2006年に中国のSF雑誌にて連載が始まり、2010年に完結、その後世界20ヶ国で翻訳されマーク・ザッカーバーグやオバマ元大統領をはじめとした様々な読者を魅了、世界的なSF作品…

2022年の読書の方針

ことしの読書の方針としては、量よりも質と学びを意識した読書にしたいと考えています。この二年間、修行のようにひたすら読んだことのない本を摂取し続けてきたので、そろそろここらで新規を求めるのでなく、良かった本を再読したり、好きになった作家を深…

2021年に読んだ本90冊の中から特に良かった14冊を挙げる

昨年、それまでの読書人生で最大の量である70冊の本を読んだとき、今後これ以上の本を読むのは無理だろうと思ったのですが、今年はそれをさらに上回る量の本を読みました。しかしこの2年に渡る大量の読書量は、コロナ禍における外出自粛の影響多大であるた…

『同志少女よ、敵を撃て』の本当の感想と、それを言いづらいという気持ち

第11回アガサ・クリスティー賞受賞作にして、同賞史上初めて審査員全員が満点をつけた『同志少女よ、敵を撃て』を読みました。 同志少女よ、敵を撃て 作者:逢坂 冬馬 早川書房 Amazon 内容は、第二次世界大戦下のソ連を舞台に、ドイツ軍に母親ほか村人を殺さ…

今年の読書目標をすべて達成しました

昨年の終わりに2021年に読む本の目標を立て、10月31日に無事それを達成したことをご報告します。うれしい! ☞昨年の目標と振り返り、および今年の目標 gonzarezmm.hatenablog.com 自己満足のために読んだ記録と所感をブログに残しますので、本の話を読むの…

【感想】絶対に読んでほしい、勇気に関する物語 ―カン・ファギル『別の人』―

最近一番羨ましいのは、私の話を何の意味もないと思える人のことだ。私も、自分を理解に苦しむ女だと思いたい。そういう目で自分を眺めてみたい。永遠に理解できず、わかりたいとも思わない、自分とは完全に別の人。 (引用:カン・ファギル『別の人』P12) …