四月十七日 金曜日
母は花が好きなので、家の猫の鼻くらいの面積に涙ぐましい努力と工夫を重ねて様々な植物を植えている。そのうちの一つ、モッコウバラが花の盛りを迎えている。淡い黄色の可愛らしいこのお花は、眞子内親王のお印でもあることを最近知った。モッコウバラは無臭の花と言われているが、本当はそんなことはなく、満開になると機械油に似た嫌な匂いがする。
ついに今日から公式にリモートワーク・自宅待機がOKとなった。今や二人だけとなった課内で話し合い、とりあえず週休三日、勤務日の四日間に関しても時短勤務をして人との接触を減らしていこうという方向性でまとまる。
お昼時、先輩と食事を摂りながら、コロナ感染者が一人出たにも関わらず、我が社のおじさん達の危機感の無さはなんなのだろうかと愚痴を吐き合う。危機感が無いのは個人差にもよるので仕方がないけれど、絶対にn人目の感染者を出さない・従業員の安全を守るといった、あって然るべきの責任感がないのがおかしいといったことを言う。最近はこんな話題しか俎上に載らない。
夜、昨日買ったクナイプの「オレンジ&リンデンバウム(菩提樹)」の香りのバスソルトを風呂に入れる。期待していたようなオレンジの香りはしなかったけれど、リンデンバウムの香りが素晴らしい。
四月十九日 日曜日
昨日から二日間家にこもっている。やっぱり家にいると社会(というか会社)との繋がりが脆弱になっていくようで、今後大不況がやってくることが予想されて、何が何でも会社にしがみつかないとならない現状家にいるのは不安でしんどい。
と言いつつ、今日は家でも仕事が出来るように自分のパソコンにOfficeソフトをインストールした。本当は昨日ヨドバシカメラのオンラインストアで一万六千円のExcelダウンロード版を購入したのに、何故かヨドバシカメラから返金と注文をキャンセルされ、ダウンロード出来ないという事態に陥ったため、Microsoftのストアから新たに買いなおした次第。なんだったのだろう。
土日の二日間で読んだ漫画は下記のとおり。
コナリミサト『凪のお暇7巻』、志村志保子『名づけそむ』、紗久楽さわ『百と卍』。
土曜の夜にAmazonPrimeビデオで『ブラック・クランズマン』を観ようとしたけれど、途中で寝てしまった。
『ドロヘドロ』のアニメ全十二話も完走。心先輩とノイちゃんの二人が最高すぎるアニメでした。それにしても面白い設定。
四月二十日 月曜日
会社からマスク五十枚を支給される。どこから入手したのか謎であるが、有り難い限りなのでうやうやしく頂戴した。一生この会社についていく所存。(ちょろい)
今が鳥の季節だということを意識すると、色んな鳥が目に入るようになる。十七時頃犬のトイレ掃除をしていると、ベランダの物干し竿にペンギンのようなカラーリングの小鳥が留まってこちらを見ていた。昨日もトタンの屋根の上にいた子だと思い、母に聞くと「シジュウカラ」と教えてもらう。母は少女時代、一人で学校の図書室で借りた野鳥図鑑を持って鳥の観察をしていた鳥ガールだった過去があり、鳥に詳しい。
去年の夏に本棚を作った余りの木材があるので、鳥の餌台でも作ろうかなと言うと、鳥ガールは「巣箱も作っちゃう?」と乗り気だった。
Officeに入っていた最新版Wordによって、十五年くらい昔の自分が書いた小説(と呼べるかも怪しいもの)が十年ぶりくらいに読めるようになる。懐かしい友人と再会したような面映ゆい気持ちで読む。
四月二十一日 火曜日
社内では十時出勤している人もいる、という噂を聞きつけ、私も十時出勤といふものをしてみむとてするなり。私の定時は八時半―十六時半で、九時半出勤をしてみたこともあるものの、あまり意味を感じられず八時半出勤の十六時退勤を続けていた。そこにきて十時出勤はすごい。これなら楽ちんすぎて全然週五で通勤してもよいという気になる。
それはそうとふと気づいたのだけれど、自動車運転免許の更新時期が今月末(平成三十二年四月三十日)のはずなのに、一向に更新通知はがきが来ない。住所変更手続きはした記憶があるのに何故だろう。よく分からないけれど、今の時期なら仕事に行く前に警察署に行けば大丈夫だろうからのんきに構えている。
昨日から再読していた小川洋子の『薬指の標本』を読み終える。表題作『薬指の標本』は大好きで何度も読み返しているのだけれど、同時収録されている『六角形の小部屋』は二度ほどチャレンジして挫折したので今回初めて読めた。得てしてそういうお話は今読むべき物語だったりすると言いたいところだけれど、どうということもないお話だった。小川洋子さんほどの天才でもこういう凡作があるんだな。