以前、丸々と肥えた美味しそうなアスパラガスを見つけてソテーにして食べてみたけれどなんとなくいまいちで、アスパラガスがいちばん輝くレシピってなんだろうな・・・と考えた。
やっぱり中の身が汁(バターとか)を吸って口の中でぐちゅっとなるのが特徴的で美味しい野菜だから、ソテーなどより美味しい出汁をパンパンに吸わせて食べる、マリネや焼き浸しのような調理が向いてるかもしれない。というのがその時の結論だった。
そんなところに購読しているcakesで「スープ・レッスン」を連載中の有賀薫さんのレシピに『アスパラと塩レモンスープ』が現れた。
スープ!
その手があった!
ということで作ろう作ろうと思いつつも先延ばしになっていたアスパラガスのスープ、スーパーで特売になっていたのをきっかけにようやく作りました。
『グリーンアスパラの塩レモンスープ』
材料
・アスパラガスたくさん
・美味しい塩
・オリーブオイル
・ポッカレモン
元祖のレシピはポッカレモンと塩じゃなくて自家製塩レモンを使います。
でもいいの、無いから。
作り方
①アスパラガスの皮をむいて、お取り置きする。
アスパラガスは綿棒など(私は包丁の柄)で優しくどついて軽くヒビを入れておく。
②アスパラガスを穂先と軸で3等分に切り、軸と皮を鍋に入れ、
オリーブオイルを回しかけ、水50㏄を入れる。
(穂先はまだ入れない)
③3分間中火で蒸し煮。
④3分経ったら鍋から皮を取って捨てます。
⑤穂先とお水50㏄を加え、更に3分~5分蒸し煮ます。(穂先長すぎである)
⑥蓋を開け、穂先がやわらかくなっていたらお水200㏄とお塩適量(ちょっとずつ入れて味見しましょう)を入れて温めます。
⑦ポッカレモンを垂らします。
完成!
グリーンアスパラの塩レモンスープ!
付け合わせに肉じゃが(冷蔵庫で放置されていた)を添えて。
味の感想は・・・なんかフランスの修道院で出てきそうな感じ。
もしくはベジタリアンが食ってそう。
アスパラと塩気とレモン汁だけのおそろしくストイックなスープなので、やっぱり圧倒的な物足りなさ。ろく助の塩のこれなのだから普通の塩ではもっと足りないと思う。
有賀さん自身もアレンジしていたけど、やっぱりベーコンなり卵なりが必要だし、にんにくひと欠片といっしょに煮てみてもいいと思う。
有賀さんのスープレシピは本まで買ってしまうほど好きなんだけども、やっぱり作ってみるとこの人はアーティストであって料理人ではないなぁということを感じる。
アーティストの美意識として、味よりも見た目の美しさが優先されている。そんな感じ。枝元なほみさんの料理を作ってみるとよりその違いを感じる。味よりも見た目。
でもその見た目はほんとうにすごく美しい。この人のスープは。
本もある。
この本に登場するスープでこれまで作ってみた中でいちばん美味しかったのが『じゃがいもとほうれん草のくったりスープ』。
じゃがいもとほうれん草にオリーブオイルを回しかけて塩とにんにんくひと欠片と一緒に煮込んだスープなんだけど、たぶんいちばん見た目が良くなくて、いちばん美味しい。