ごんブロ

だいたい月に一度、本や映画の感想を書きます

オタクなら誰しも、初めての宝塚で恋に落ちるものだと思っていたけれど

みんながみんな、沼に落ちるわけではないようです。残念ながら。

 

宝塚歌劇団月組公演『応天の門/Deep Sea』を観劇してきました。

 

 

ちなみに、人生初めての宝塚です。

 

宝塚歌劇団と言えば、知らぬ人はいない、100年以上の歴史を持つ、女性だけの出演者によって構成された劇団。ハイレベルな歌と踊りと芝居で見る人を魅了し、非日常な時空間へいざなってくれることで有名。

また、ネットをよく見ていると、ヅカオタなる宝塚歌劇団ファンのお姉さんたちの推し活の様子がときどき流れてくるので、そういったものを見るたびに、素敵なんだろうな〜〜🌸 観に行ったらハマるんだろうな〜〜〜😊 と思っていました。

で、このたび、会社の福利厚生で観劇代の補助が出るというラッキーがあり、だったら宝塚行っちゃう? と、取ったチケットが『応天の門/Deep Sea』のS席。

応天の門』は菅原道真が主人公の灰原薬の漫画、ということだけは知っていましたが、読んだことはなく、出演者などそのほかのことはまったくの無知。宝塚歌劇団については、おととし中山可穂の宝塚小説『男役』は読んだけれど、それぐらい。

たまたま、長年の知人が産前まではかなりの宝塚ファンだったということもあり、2人で宝塚へ出発したのでした。



 

 

感想

私たちの席はS席の最後尾で、このあたりでは演者の顔は豆粒くらいにしか見えません。なおかつ私の席は、前の席の女性の頭で舞台のど真ん中が遮られているという環境だったので、全体をさらっと見るような観劇でした。

しかし『応天の門』自体が、ものすごく面白い物語、というわけでもなく(平安時代の地味サスペンス)、なんせ見えないし、途中で寝てしまいました。

でもってこの座席が、むちゃくちゃ狭い。足を組み替えることも出来ないくらいなので、ピーチの飛行機の座席よりも狭いんじゃないでしょうか。2時間も座っていると、体のあちこちが気持ち悪くなってくるくらい苦痛でした。よくこんなに非人道的な座席に客を座らせられるものだと驚いたのですが、梅田芸術劇場はもっと酷い(いや、同じくらい?)という口コミを見たので、劇場というものの悪しき文化なのかもしれません。

あと、二幕のショー『Deep Sea』を見ていて感じたのですが、宝塚の演者の肉体美や動きの美しさを味わうのに、平安時代の和服はかなり不向きだったように思います。足の長さとかミリも伝わらないし。

だからどちらかというと『応天の門』より『Deep Sea』のほうが見応えがあったかな・・・と思わないでもないのですが、ショーのほうはストーリーがないぶん、『応天の門』の三倍くらい寝ていたので、どうなのかな・・・。

 

ということで、初めての宝塚は『大したことなかった』というのが嘘偽りのない感想。

SS席か、SS席に近いS席で(なおかつ前の座席の人の頭で視界が遮られておらず)、和服以外の演目だったら、誘われたらまた観てもいいかな。でもまたあのピーチ以下の座席に2時間座るのか〜〜と思うと、かなり気が引けるのも事実。

それに高額な観劇料を払うなら、TOHOシネマズなどの映画館でIMAX、かつプレミアムシートとかのほうが満足度は高いような気がする。

宝塚の生のオーケストラ音楽には感激したけれど、あれだってミュージックホールなら遥かにリラックス出来る座席で味わえるし。

そんなわけで、一度は行ってみたいとかねがね思っていた宝塚歌劇でしたが、残念ながら宝塚沼に落ちることはありませんでした。

宝塚駅から劇場に向かうまでの「花の道」や、周辺の建物の麗しさ、劇場の美しさなど、素晴らしいな〜! と思うところはたくさんあったので、観劇に行ったこと自体には満足しています。