ごんブロ

だいたい月に一度、本や映画の感想を書きます

アラサーの女だけど夏休み子ども科学電話相談が好きすぎる


(※この記事は8月7日に書かれたものです)

 

NHKラジオ・夏休み子ども科学電話相談の前半戦が先週で終わってしまったので、喪失感に苛まれている。

 

私がこのラジオ番組の存在を知ったのは2年くらい前で、トゥギャッターまとめからだった。

放送を実際に聞いたのは今年が初めてで、NHKのラジオアプリ『らじる☆らじる』の聞き逃し向け再放送によって、ようやく視聴が叶った。

夜の料理をしながら〜ご飯を食べながら〜皿洗いしながら〜歯みがきするまでのちょうど2時間くらいの間に聞くとはかどるので、ここのところ毎晩聞いていたのだけれど、残念ながらそれも昨夜で消化してしまったので、近ごろの夜は部屋の隅で三角座りになって壁紙を見つめる日々を送っている。

 

今さら私が語るのもおこがましけれど、この長寿人気番組の魅力は、その分野の第一線で研究を行っている一流の科学の先生が、子どもの自由すぎる「なぜ・なに」に対して全力で向き合うことによって生まれる、予測不能の感動と時々の爆笑だと言える。

 

生放送の番組に電話でかかってくるものだから、アナウンサーと科学の先生は、電話の向こうの子どもの様子も顔も見えないまま、質問と答えを交わす。

姿が見えないのはもちろん、その子どもの予備知識も分からないため、先生は手さぐりでその子の知識量を確かめて測り、自分の知識を相手のレベルまで噛み砕き、子ども達に伝わる言葉で説明する。

 

その説明が届かない時もたまにはあるけれど、届く時にはいつもそこに喜びと驚きがあって、それどころか、立場も年齢も何もかもまるで違う子どもと先生という二者が、「科学」というものを通して、心や心以上の何かを通わせる瞬間が垣間見えることがある。

そこにとほうもない感動があり、そんな現場に立ち会うたび、私はむせび泣いてしまうのである。

 

質問する子どもがピュアなら、答える科学者も更にピュア。

 

笑ったり感心したり、子どもの可愛さに悶えたりハラハラしたり、先生の可愛さに悶えたり納得したり、伝え方の勉強になったりと、とにかく聴きごたえのある4時間の番組それが『夏休み子ども科学電話相談』なので、これはもう大好きにならざるを得ないのである。

 

私が主に好きなのは恐竜・動物・昆虫の質問なのだけれど、いちばん好きなのは何といっても恐竜。

世界最高峰の恐竜博士・小林快次(よしつぐ)先生と恐竜ガチ勢ボーイ&ガールの恐竜道とも言うべき恐竜問答が、聞いていて楽しすぎる。

 

 

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小林先生のだいすきな恐竜の一つ、オルニトミムス。名の意味は『鳥に似たもの』

恐竜界最速のスピードキングである。

 

ちびっこ恐竜ガチ勢が本当に面白すぎるし、そこに向こうを張る恐竜神・小林が合わさると、化学反応並みの面白さがある。

これはもはや『子ども科学電話相談』ではない、武道であるっていうくらいのエキサイティングさ。

とにかくもう小林先生が最高すぎるんですよね。

なんなのあの面白いひと。アラスカとかアメリカとかモンゴルで恐竜発掘をしているすごい博士なのに、毎年この時期だけは絶対に『子ども科学電話相談』のために日本に帰って来てくれるんだよ…!

 

というか小林先生に限らず、先生という先生がみんな、子どもが自分の専門分野である「それ」について疑問に思ったということ、そしてそれに答えることが嬉しくてたまらなさそうなんですよね。

もうこれ自体に胸がいっぱいになる。

小菅先生、なんでゾウのことを訊かれてそんなに嬉しそうなの…?! この人どれだけゾウ(に限らない)のことが好きなの…?!!

小林先生、コリトサウルスの頭の骨について訊かれて、なぜそんな「ほう。骨のあるやつが来やがったか…」みたいな感じなの…?! 先生、電話の子が恐竜に詳しいことがそんなに嬉しいの…!?

って、胸が!! 温かいものが!! 胸に!!!

 

「○○ちゃん恐竜好き?」「すきぃ!!」「そっかぁ(嬉しそう)」とか、

 

「君は動物のことくわしいんだなぁ~~~!! 先生嬉しくなっちゃうよ!」

 

とかいうやりとりなんなの?!! 優しい世界ですよこれほんと!!! 書いてても今涙ぐむほど温かいものに満ちたやりとり!!! すき!!!

 

あと恐竜問答は聞いていて、なんというか「恐竜星」を故郷に持つ数少ない「恐竜星人」が電話回線を通じてようやく巡り合い、お互いの母星の言葉で話しているのを聞いているような、なんかロマンというか感動をいつも感じる。私も少しだけ恐竜星人の血を引いているので感動する。

 

そんな『夏休み子ども科学電話相談』ですが、今年前半戦の神回は7月30日と31日。

30日には去年伝説を生んだ恐竜ガチボーイ「宮城県のおくやまえいすけ」が一年の時を経たことで更にパワーアップして再登場、31日には神回答を引き出した問答「虫には心はあるのか?」があります。

あらゆる虫の立場に立って物事を考える共感の鬼・くるび先生、鳥が好きだとは限らない鳥類学者川上先生、動物のいるところなら世界のどこにでも大抵は行っている小菅先生、恐竜神小林の4人の科学者が考える「心の実在」とは?

煤ぼけたアラサーの心に沁みていつの間にか頬に涙が伝った神回です。

 

 

この『夏休み子ども科学相談』の最高に良いところって、なんと言っても「素敵な大人」の姿を見せてくれているっていうところだと思うのですよね。

この先行きの不安すぎる世の中でも、こんなに楽しそうに生きている大人っているんだ、だったら大人になるのも悪くない・・・そう子ども達の心に訴えかけるものがあると思う。

「好き」が持つ世界を明るく照らすパワーを教えてくれる。

だから何年もずっと根強く人気を誇っているのだなと実感しました。

 

後半戦放送が楽しみすぎる!!