ときどき遊びに行く京橋のカフェ NAGARABBIT CAFE の店主、森永氏が主宰する劇団ながらびっとの公演「悪魔さん、ご相談があります!」の18日・チーズ公演を観劇しました。
ちなみに私自身は演劇については門外漢かつ観劇ビギナーで、また今回ちょっとした手違いからパンフレットが入手できず、天使と悪魔の役名がわからないのでところどころ役者名で書きます。以下感想です。
👿あらすじ👼
お財布を拾った時に、
自分の中の〈天使〉と〈悪魔〉が現れる。
「交番に届けましょう!」
「ネコババしちゃいなよ!」
頭の中で二つの声がこだまし、葛藤させる…。
ここは立派な悪魔を目指す
〈天立イエス高校〉の「悪魔クラス」。
たくさんの人間を悪の道にそそのかし、
地獄が豊かになるよう頑張るゾ☆
それに対するはもちろん「天使クラス」。
今日から実際に人間に取り憑く実技研修。
犬猿の仲の両者は一歩も引かず…!
そんなある日、人間界の【千鶴】は、
大きな悩みに直面する。
今日のご飯はラーメンにするか、
お蕎麦にするか。
悩める千鶴の目の前に現れたのは、
悪魔と天使だった…!
面白かった!
大人も子ども楽しめて、笑って泣けて感動できるような作品づくりをしているコメディ演劇劇団というのが「劇団ながらびっと」のコンセプトだけれど、まさにそのとおりの作品で、笑いが絶えない100分でした。観客を笑わせることに貪欲な姿勢が随所に漲っていた。
特に良かった点
- 万田とアポロが圧倒的に面白い。動いてるだけで若干おもろい。華があるっていうのはああいうことを言うんだろう
- 派手さは無いけれど、お母さん、お父さん、千鶴の演技はどっしり安定していて、私でも上手いとわかる
- 天使の女の子の悪い顔が憎たらしすぎて最高に笑った
- 天使三人の立ち方、バレエみたいな足の向きがきれいで良かった
- 瑛子さんのここぞというときの発声が良すぎる
- 初めて千鶴の前に天使と悪魔が現れたときの百瀬の静止ポーズが本当に完全に静止していてすごかった
良かった演出
- 最初に万田のエピソードを入れてから物語に進む構成が良かった。アニメではよく観るけれど舞台で観ると思わなかったし、そこからオープニングに導入する流れがリズミカルで良い
- アポロのシャイニングずるい。あんなん絶対笑う
- 万田の貧乏・お腹強い、アポロのエリート・嫌な奴の分かりやすい設定はやっぱり笑いとして強い
- 天界と人間界の2界構成のテンポがとても良かった
気になった点
- 天使の先生のセリフがわりと聞き取れなかった
- お父さんと千鶴の対話がだいぶ長くてだれてしまった。リアルと言えばリアルだけれど、もっとテンポよく進めてほしかった
- 普通の社会人が生きる世界の話では圧倒的に天使が有利になってしまうので、天使がとりつく相手は犯罪者にするなどにしたらもっと面白かったかも(話がぜんぜん違うものになるけれど)
- 天使と悪魔の設定はもうひとひねりほしかった。善悪が立場を変えれば反転することを示すように、アポロが導いた一村が破滅したらもっと面白かったかも(話がハッピーエンドにならないけれど)
ラストについて
二者択一の選択をどちらにするのか。
大事なのは善悪の基準ではなく「自分が選んだ」と納得できること。
分かりやすいメッセージ性でよかったし、千鶴が酒屋を継ぐのではなく、自分の会社で本気で仕事をするという第三の選択肢を選んだラストがとても良かった。
こういう舞台演劇を長時間観劇したのは初めてだったけれど、ものすごく演者のエネルギーを分けてもらえて元気になれることを知った。
次の公演も必ず観に行きたい。