ごんブロ

だいたい月に一度、本や映画の感想を書きます

2023年12月に読んだ本

年間ベストはこちらから👇

 

 

gonzarezmm.hatenablog.com

 

12月は7冊読みました。

 

 

 

高校生からわかる「資本論」/池上彰

 

カール・マルクスの「資本論」の一部を、池上彰が高校生にもわかるように解説したもの。さいきんは中高生向けの本をよく読む30代になりつつある。

わりとくどいまでに易しく噛み砕かれた内容でわかりよかった。150年ほども前にいまの日本の経済を予言できているあたり、マルクスという人はとんでもない天才だったと言わざるをえないし、経済学それ自体がすごく面白い学問だということがわかる。

資本主義とはひたすら周縁を飲みこんで増殖していくシステムで、資本主義原理をすべてに適用させていけば、行きつく先は崩壊であるというロジックは、これまでに見た色んなフィクションを想起したり、過去100年弱に描かれた物語は「資本主義」の思想と少なくない関りがあることに気づいたりと、色んな発見と驚きがある読書でした。フィクション以外のものを読むことで、よりフィクションについてわかることが往々にしてある。

それはそれとして、もうちょっとくわしく「資本論」や経済学について書かれたものも読みたいと思いました。とても面白かったです。



太陽の子/三浦英之

 

第22回新潮ドキュメント賞受賞作。ことしはぜんぜんノンフィクションを読めていなかったので、せめてもの補給としての選書。

高度経済成長期にあたる1960年代後半から80年代前半にかけて、アフリカのコンゴでは日本鉱業の社員と現地少女とのあいだに数多くの日本人の子どもが生まれ、会社の撤退と共に母親ともども置き去りにされたという事実を追ったノンフィクション。

著者の筆力が高いことは色んな賞をとっていることからも明らかだけれど、私には正直なところ、本書で明かされた事柄の、いったいなにがそれほど驚きの事実なのか、最後までピンとこないところがありました。ふだんから日本人男性に絶望しすぎているのかもしれない。

とはいえ、コンゴで生きる修道女の佐野氏の、自分はここでなにもできないかもしれない、だけど人びとと共に歩むことはできる、という言葉には心を動かされた。著者の三浦氏の、正しく生きたいという気持ちにも。



逆転美人/藤崎翔

 

「モノマネ芸人」で度肝を抜かれた著者の前作。モノマネ芸人のほうが面白かったので、これ以上は遡らないことに決める。

もちろん面白かったし驚いたし関心もしたけれど、こういったトリックは一度でじゅうぶんなところがある。著者に非は無いが。



草の花/福永武彦

 

SNSの読書アカウントの愛読書としてよく目にする作品を満を持して。

戦前の日本を舞台とした青春小説というかなんというか…。非常に卓越した美文でつづられた、美しい物語。愛や宗教、人間というものについて深く洞察された内容ではあるけれど、私はあまり好きではないというか、これは「人間」の物語ではないよね、という感想を抱いた。だからこういった観念的な内容なのだということもよくわかるが。

萩尾望都の「トーマの心臓」を想起させる、若いときにだけ持てる「純粋」なるものが描かれていて、萩尾望都は本書に影響を受けたのだろうかとも思った。



鬼の詩/藤本義一

 

「草の花」でう~~んと思っていた気持ちが、くしくも本書によって成仏。

そう、私が思う「人間」ってこういうの!!!

汚くて、弱くて、ずるくて、みっともなくて、滑稽こそが、人間だよね~~~って深く納得した。

これはもう、私が藤本義一と同じく大阪人であることと、福永武彦が上流階級出身の東大出の令息であることとは、絶対に無関係ではないんだろう。

藤本義一の本を読むのは本書が初めてだったけれど、こんなにすごい、重油のような文章の物語を書く人だということも初めて知った。直木賞受賞作の「鬼の詩」ももちろん素晴らしかったけれど、「贋芸人抄」もすごくすごくよかった。読後のインパクトが、皆川博子レベルのすさまじい重さ。



パッキパキ北京/綿矢りさ

 

綿矢りさ最新作。人生エンジョイ勢の元銀座ホステスのアヤメは、北京に単身赴任している夫に乞われてしぶしぶ日本を離れて駐妻に。さっそく罹ったコロナにも負けず、パリピ陽キャとして真冬の北京を味わいつくす。著者の実際の北京滞在経験が活かされたフィールドワーク小説。

普通に面白かった。自分の経験がこういった小説になるのだから、綿矢りさって作家として素晴らしい場所に辿り着いたなぁとしみじみ思う。



嘘の木/フランシス・ハーディング

 

すっかりハーディングのとりこになりつつあるので、2023年の最後は絶対に本書で締めくくろうと選んだ一冊。とてもよかった!

人形(カッコーの歌)、地底人(ガラスの顔)と来て、今回の主人公は、18世紀後半のイギリスに生きる、博物学が大好きな14歳の少女フェイス。ヴィクトリア朝の上流階級の婦人となるべく教育された、大人しく控えめな見た目とは裏腹に、博物学者の父親譲りの優秀な頭脳と、燃えるような好奇心を宿しているという、この時点でハーディング史上最高にわたし好みの主人公だったので、大興奮のなかでの一気読みだった。

カッコーの歌、ガラスの顔とくらべると、本作は「嘘を養分に育ち、知りたいことを教えてくれるふしぎな木」という《嘘の木》のみがファンタジー成分を担うローファンタジー。18世紀後半という過去の時代を舞台としながらも、直球のフェミニズム、デマによる風評被害など、めちゃくちゃ21世紀にも通じる問題をテーマとしているところが見事だな〜と唸らされた。

だからこれはもはや我儘だけど、あまりに物語がうますぎるがゆえに、もうちょっと「逸脱」みたいなものがほしかったかもしれないとも思った。ハーディングは本作が8作目らしいけれど、物語をたたむ技術がもはや熟練の域に達しているので。なんならシリーズものを書いてほしい。



以上、2023年12月に読んだ本でした。

2023年に読んだ本は合計で79冊で、マンガはたぶん30冊くらい。ぜんぜんマンガが読めていないので、ことしはもうちょっとマンガを読む年にしたい。

 

怪物的なエンタメ性と深み!2023年読書ベスト約20冊

2023年に読んだ本は78冊でした。

いままさに読んでいる最中の79冊めがフランシス・ハーディングの『嘘の木』で、もしかしなくてもベストランキング上位に食い込みそうな面白さなのですが、そうなった場合はしれっと追記したいと思います。

(※ハーディング『嘘の木』を追記しました。12月31日)

 

ことしも読んだ本に個人的な採点づけをおこなったので、点数順に発表していきます。

また、ことしは毎月ブログに読書感想記事を書いていたので、感想についてはこの場では詳しく書いていません。もし気になった方は、ぜひ検索窓から本の名前をサーチしてみてください。

 

 

 

 

85点

地図と拳/小川哲

 

思い返すとやっぱり面白かった。筆力が確かな作家だと思う。
冷酷な軍人である悪役キャラが、その人物を殺すかどうか迷ったさいに、天候が読める人間は殺さないという妙なこだわりを持っている設定がどこかジョジョっぽくて、ときどき思い出す。ああいうの好き。

 

 


近代家族の成立と終焉/上野千鶴子

 

今年いちばん知的興奮を覚えた一冊。上野千鶴子先生の本は難解だけれど、読んだあとに自分のなかで武器ともいうべき「知」が備わるのを感じる。こういう感覚を覚えるのはふしぎと大学苦教授が書いた本に限るので、来年も何冊かは大学教授の著作を読みたい。

 

 


本心/平野啓一郎
本心

本心

Amazon

 

今年読んだなかで1、2の美文のうえ、内容も面白いという、文句のつけようのない一冊。平野啓一郎はこれまでに3冊読んだけれど、手元に置きたいと思うのは本書かな。映画化も進行中らしいです。映画もいいけれど、本音としてはやはり新作が読みたい。

 

 


86点

帰りたい/カミーラ・シャムジー

 

これは物語としても優れているし、なによりキャラクターたちがめちゃくちゃ魅力的な小説でした。しかも内容は「ロンドンで生まれ育つも、IS国に憧れてムスリム戦士となった弟を取りもどしたいパキスタン人姉妹の話」という、非常に政治的で難しい題材を直球で扱いながらも、日本人の私が読んでもすごく心を揺さぶられるくらい分かりやすい。改めて振り返ってみても、非常に優れた作品でした。

 

 

 


世界の果てのこどもたち/中脇初枝

 

いま確認してみたら、たった386ページしかなかったとはとても思えないほど、とんでもなく濃い小説だった。
満蒙開拓団の子どもと、朝鮮人の子ども、裕福な日本人貿易商の子どもである三人の少女が満州で友情を育み、その後全員に戦争が降りかかる。
満蒙開拓団の人びとが中国に置き去りにされ、死にもの狂いで日本に帰ろうとする道程で、そのほとんどが死に絶えていくすさまじい描写に何度も泣きながら読みました。戦争とは、なにも持っていない市民がもっとも酷い代償を支払わされるということを思い知らされる。

 

 


87点


奇妙な人生/スティーブン・ドビンズ

 

読んでいる最中はけっこうだるい描写も多かったけれど、読み終わってしばらく経ってからもけっこう色んなシーンを思い返すので、なんだかんだわたしもパチーコとアントニアの倒錯した関係性に魅せられてしまったんだなぁと実感する。これは心に残りますよそりゃあ。

 

 


愛がなんだ/角田光代

 

これも「奇妙な人生」とおなじくらい異常な関係の男女ふたりの物語だけれど、それをマイルドな文章と展開でライトに表現した作品と言える。

「ほんとうに好きっていうのは、おれたちみたいなのがもの欲しそうな顔でうろついてるのは違うんじゃないかって思うんですよ」みたいなせりふの場面、良いよね~~~。角田光代はやっぱり名人でうまい。

 

 


89点


他人の家/ソン・ウォンピョン

 

「春の雪」と「箱の中の男」がとてもよかった。今後新作が出たら絶対にチェックする作家のひとりとして、胸に名前が刻まれた作家。

 

 

 

目の見えない白鳥さんとアートを見に行く/川内有緒

 

全盲の人と芸術鑑賞をすることによって、晴眼者の目が拡張されるというワンダフルな体験をとおして、芸術や障碍や生について深く考察した一冊。色んなひとに一度は読んでみてほしい本だと思う。

 

 


90点

隣りの女/向田邦子

 

本作収録の「春が来た」が、わたしの2023年ベスト短編小説。あんなに短いのに最後にボロっと泣かせる名人芸は鮮やかのひと言。もちろん「隣りの女」も大好きっ!

 

 


91点

ノウイットオール/森バジル

 

Mー1グランプリを目指す高校生を描いた「イチウケ!」がまぁ~~~~~面白かった。いまMー1グランプリを2015年から遡って観ているんだけれど、イチウケを思い出すとともに勝手に重ねて涙ぐんでしまう。

 

 

 

92点

嘘の木/フランシス・ハーディング

 

私が読むハーディングとしては3冊目、著者の7作目の作品。

19世紀後半、ダーウィンの「進化論」に揺れるイギリスを舞台に、高名な博物学者の父親譲りの頭脳と、燃えるような好奇心を秘めた14歳の少女フェイスが、父親の不審死の真相を解明する物語。

著者もベテランの域に達してきたからか、万事において読みやすく、素晴らしく面白かった。名作です。

 

 


93点

白鳥異伝/荻原規子

 


齢三十を過ぎてなお、貪るように読むほど面白い、極上のファンタジー小説。エンタメとしても完璧。日本人ファンタジー作家の頂点だと思う。

 

 


94点

ガラスの顔/フランシス・ハーディング

 

日本では荻原規子上橋菜穂子の次世代のファンタジーの書き手がいまだ現れないけれど、海外ファンタジーではものすごい書き手がいることを思い知らされた作品。この作家はすごい。

地底世界という純然たるファンタジー世界を、何の力も持たない異端の少女ネヴァフェルが縦横無尽に駆け巡り、仲間とともに絶望を打ち破る物語。読後しばらく放心したほどの美しいラストシーンがいまでも忘れられない。

フランシス・ハーディングの作品は文字でも伝わってくるくらいにビジュアルがむちゃくちゃ魅力的なので、早く映像化してほしい。予算は1,500億ドルぐらいで。(※ゲースロの最終シーズン1話の予算参考)

 

 


97点

モノマネ芸人、死体を埋める/藤崎翔

 

個人的に今年のダークホースだった、ノンストップクライムパニック小説。開始から終わりまで一瞬も中だるみすることなく、一気にクライマックスまで引っぱってくれる牽引力が抜きん出ていた。また、こういうエンタメ小説にしては珍しく文章力が安定している。

夢中になって読んで、面白かった~~~!と顔をあげたら何時間も経っていた、という読書あるあるの感覚をひさびさに思い出した作品だった。

 

 


99点

成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈

 

収録作「ありがとう西武大津店」で「女による女のためのR-18文学賞」を受賞した著者のデビュー作にして、今年読んだなかで最高の青春琵琶湖小説。

滋賀県大津市という地方を舞台に、そこで暮らすただの一般人たちを主人公にすえて、これだけ面白くて心を惹きつけられるものが描ける著者の力量は並外れていると言える。順位としては2位とはいえ、「何も起きていない話」というジャンルでそれだけ面白いのはすごいことだと改めて思った。

そしてこれを書くにあたって少し調べたさいに、なんと来月待望の続編が出るということでテンションがブチ上がりました。

 

www.shinchosha.co.jp

 

絶対買う~~~~~~!!!!!

 

 


100点

ゴリラ裁判の日/須藤古都離

 

タイトルからして出オチなのに、内容は本当に「ゴリラの裁判」という斬新な設定で、物語はそれを越えていくエンタメ性と深みと哲学性を持つ、怪物みたいな作品でした。掛け値なしに面白かった。

 

 

 

以上、2023年に読んだ本ベスト17冊(キリわる)でした。

ことしも読書からたくさんの幸福を享受することができました。

あたりまえのように昨日と同じ平穏な日常がつづくわけではないということを強く思い知らされるこの頃ですが、来年も平和な日々のなかで、読書を楽しめることを願います。

ことしも一年お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いします。

 

2023年11月の振り返り

11月を振り返っているあいだにも、爆速で12月が過ぎ去ってゆくので怖い。ということで、やっと11月の記録です。

 

 

 

1week

 

とくになにもしていない。

早出出勤の日の帰りに網島町でプチピクニックしたり、いつものカフェにごはんを食べに行くなど、のんびり過ごしていた。

 

ところで網島町というのは、JR東西線大阪城北詰駅すぐの、川沿いのあたりを指す。

藤田邸跡公園という、とても美しいけれど16時に閉まるゆえにあまり人に知られていない公園があったり、川沿いに桜の木々が植えられていたり、ベンチがあったりする、憩いや散歩にうってつけの場となっている。

そこにひょうたん池という、蓮で有名な池がある。

去年のおなじ頃には、大阪城あたりから流れてきたと推測されるヌートリアがここを住みかとしていたけれど、駆除されたのか見かけなかった。

代わりにアオサギがいた。

 

お待ちしておりますぞ

 

べつにアオサギなんて珍しくもなんともないけれど、写真を撮ってもまったく逃げるそぶりを見せず、私がおやつを食べる様子を凝視していたので、たぶん人間からエサをもらっているんだろうと思っていたら、ほどなくしてビニール袋を提げた小柄な壮年女性が現れた。

アオサギはそのひとの顔を見たとたん、大きく「ゴクリ」と喉を上下させて、ヒョコヒョコと近寄っていくと、女性はビニール袋から生の小魚を取りだして、アオサギの足元にほうってあげるのを何度か繰り返していた。

アオサギのなかで、その女性の顔と食欲が完全にリンクしているすがたに感心した一幕だった。



2week

 

平日の休日に、友だちと『ココペリ』という大阪天満宮付近にあるスパイスカレーのお店にランチに行く。

まずはなぜこのお店に行ったのかを説明したい。

このお店の近くで勤めている友だちは、ある日会社の昼休みにランチに出てこのお店を初めて見つけ、看板のスパイスカレーの写真につられて入ってみることに。看板には値段の表記はなかったけれど、カレーなのだから知れていると考えていた。

お店はカウンターだけの小さなテナントで、そのときの客入りは、友だちとほぼ同時に入店した若い男女カップルと、やはり勤め人らしい男性が遅れて入って来て3組。

カウンターの向こうには強面の風貌をした40代くらいの店主がおり、入店するなり「このお店は初めてですか」と訊く。

「はい」と友だち(とカップル)が言うと、「ではまずこちらを必ずご覧下さい」とタブレットを渡され、店主がカレーについて説明する動画(5分)の視聴を求められる。動画の内容は、当店のカレーは店主の思想に適う、とても上質なこだわりの具材を使っているため、すごく原価が高い。だからカレーも最低2,000円するというもの。

値段にびっくりしつつも、でもそれだけこだわったカレーなら食べてみてもいいかもと思った友だち(とカップル)が注文すると、つぎに「待っているあいだにこちらをお読みください」とべつの端末を渡されて、そこに入っている店主の思想テキスト(食べることがなぜ大事なのか、それは食べるという字が人を良くすると書くように…的な導入から始まる)をえんえん読まされたすえにカレーが登場。

食べてみると、今まで食べたなかでいちばん美味しく素晴らしい風味のスパイスカレーで、2,000円以上の価格設定も、高いとはまったく思わなかったそうな。

店主は不愛想でニコリとも笑わず、動画やテキストを渡すときには「必ず見るように。嫌なら帰ってくれてけっこう」といった態度で、緊張感がただよう雰囲気のなか、客たちは(友だちいわく)日本人なのでみんな大人しく言うことを聞いていた…という一連の話が面白すぎて、私も連れて行ってほしい!! と頼んで一緒に行ったのだった。

ところが、今回訪問したときにはすでにお店はけっこうな人気を博していて、テレビでも取り上げられ、芸能人もちょくちょく訪れるようになっていたせいか、お店のオペレーションは変わらないものの、店主の愛想はばつぐんに良く、始終絶好調にニコニコしてつまらないギャグを飛ばしており、友だちが「前はあんなんと違うかってん!」と私に弁解していた。

カレーは本当に素晴らしく美味だった。

 

🍛

 

 

3week

 

知りあいのお家で開催されていたカニパーティーにお呼ばれする。

 

 

🦀🦀🦀



数年分のカニを食べた。

 

 

🦀&🐄



ズワイガニの雌であるセコガニと、その卵である「内子」も初めて味わう。



セコ🦀



美食に酔いしれた夜だった。



翌日、友だちと京都の街なかをブラブラして遊ぶ。



お昼ごはんのお店



鳩がたくさんいるお寺さんにも行った。



換毛期で頭がぽそぽそ

 

膝に乗ってくるくらい人懐っこくて、いっぺんで鳩好きになってしまった。



🕊



白鳥もいた



「とよのていねい」という団体が主催する『インド映画音楽盆踊り』に参戦する。

 

 

teinei.toyono.town



会場

 

ラージャマウリ監督作品のRRRやバーフバリの音楽をBGMに、ダンスの先生がインストラクターとなって指導してくれた振付けで、参加者みんなで盆踊りをするという、情報量過多な異色のフュージョンイベントでした。とても楽しかったです。



 

4week

 

フグを食べるなどする。

 

🐡



久しぶりのマーダーミステリーや、もう初心者ではなくなりつつあるボードゲームに興じたり。

 

 

 

 

 

このあたりから同人誌原稿のことが頭のなかを圧迫し始め、心が千々に乱れ、気忙しくなり今に至る。

 

そしてもうあっという間に12月の中旬なので、日々が過ぎる速さに驚くばかり。

12月になってもまったく寒くならず、春のような陽気がつづいたりと、自律神経が疲弊するのか、最近は眠い日が多い…。実際7時間以上睡眠している平日が少ないので、12月の残り半分は「よく寝る」を目標に過ごします。(12月15日時点)

 

2023年11月の読書記録

坊主も走る師走なので、言葉すくなに、粛々と読書記録。

 

 

 

デイヴィット・レヴィサン『エヴリデイ』

 

 

2018年の海外YA小説。

もし朝目覚めたとき、別人の人間の体になっていたとしたら? そんな空想をしたことはないでしょうか。本作の主人公「A」は、毎日同い年の人間の体で目覚め、その体で一日を過ごし、またべつの体に去って行く存在として発生して以来、ずっとそうやって生きている。発生から5994日目、ついに「A」はある女の子に恋をする。

奇想天外な設定を巧みに使ったファンタジー恋愛小説。わりと面白かった。これは絶対に映像映えしそうだなと思ったら、やっぱりすでに映画化されていたけれど、あまり話題にならなかったみたい。

こうまでも面白い設定を使ってもテーマを「恋愛」にしてしまうと、ごく普遍的というか、結局ぶちあたる問題はごくありふれているというのが物足りなかった気もする。401ページとけっこう長い物語なんだけれど、280ページくらい(細かい)でよかったのでは?と思う。



多崎礼『レーエンデ国物語 月と太陽

 

 

講談社から全5巻刊行予定の大型ファンタジー物語の第2巻。1~2巻の売れようから、めでたく最終巻まで出版されることが決まったそうです。

ということで、遠慮なく本音の感想を言わせてもらいます。

よく書けているし、ぜんぜん面白くないわけではないけれど、名作には遠い。

多崎礼の作品はほかに『煌夜祭』『血と霧』を読みましたが、本作がいちばん作家としての拙さを感じました。

1、2巻ともに600ページ程度の大長編にも関わらず、深みがない。

著者は、本当の表現は「表現しないところ」に宿るという、表現の本質を理解していないと思わざるをえない。

行間から伝わってくるものが決定的に欠けているから、のっぺりした、深みのない物語になっている。5行の内容を1行に凝縮しきるという業もない。

本当に頑張って、人生を懸けて書いていることは伝わってくるし、よく書けているとは思うけれど、素晴らしいファンタジーに必要不可欠な神性がないので、私はハマれませんでした。

 

ということで、3巻以降を読むかは未定。3巻では608ページの2巻の内容を数行でおさらいしたと読んだので、5巻だけ読んでもなんとかなりそうな気はする。そうまでして読みたいのかはわからない。

荻原規子上橋菜穂子のようなファンタジー作家の後継は出て来ないんだろうか。個人的にはけっこう残念。



平野啓一郎『マチネの終わり』

 

 

数年前、この作品が映画化したことで、私は著者の名前を初めて知ったのですが、福山雅治石田ゆり子が主演のパリが舞台の恋愛映画という時点で「そんな辻仁成の二番煎じみたいなもん、ぜってぇ趣味じゃねえ」と判断し、平野啓一郎に興味をなくしていました。が、『ある男』『本心』が辻仁成からかけ離れていたために、本作を読んでみる気に。こうして考えてみると、おっさんが書いた恋愛小説って、私がもっとも読まないジャンルである。

平野啓一郎についてはけっこう作家として信頼していて、過去に書かれたという本作も、きっとよくある安直な恋愛小説ではないのだろうと期待していたけれど、まさか5年間でたったの3回しか会わず、結ばれることがなかった男女の恋愛小説だとは想像しませんでした。意外だったからというわけではないですが、非常に面白かったです。

平野啓一郎といえば、レトリックが天才的に詩的かつ独創的、そして美文という印象だったけれど、本作はまだ『本心』の域に達していなかったことも予想外でした。ということで、いまのところ『本心』がいちばん好き。



高島俊男『本が好き、悪口言うのはもっと好き』

 

 

中国文学の研究者による1995年刊行のエッセイ。講談社エッセイ賞受賞作。

中国文学だけでなくもちろん中国史にも詳しい、博覧強記の知識から紡がれる雑学や蘊蓄、日常のことなどが縦横無尽に書かれておりむっちゃ面白い。

漢字はそもそも非常に複雑な発音を有する中国語に沿って開発された文字で、それをまだ言語体系が赤ちゃんレベルだった日本に無理やり導入し、さらに欧米の用語に対応できるように単語を増やしたことばだからいろいろおかしなことが起きる、もしも日本に漢字が持ちこまれなければ、日本語の言語体系に沿った独自の文字が発明されていた…という解説には目からウロコが落ちました。

また李白杜甫などの漢詩は、中国語の405個の発音と4つの声調があってこそ伝わる音楽性豊かな文学だから、文字だけでは真価が理解できないということも初めて知りました。

新聞に対することば遣いを指摘する章はわりと辟易したけれど、全体として非常に面白く、こんなにもずばぬけた知性の持ち主って、近ごろではとんと見なくなったと思う。著者が日本が豊かだった時代に学術を探求できた研究者だからなのか。



全卓樹『銀河の片隅で科学夜話』

 

 

同人誌でSFものを書くかもしれなかったとき、なんかネタになりそうな話無いかな~と手に取ってみたけれど、SFは書かないことになったし、そんなに有用なエピソードもなかった。世界ってふしぎで面白いよね~という、軽い読みもの。やはり読みやすい本から得られるものは少ないんだな、と反省した。



須賀敦子『ミラノ 霧の風景』

 

 

11月に読んだのは最後の2章だけで、購入はなんと2月だった。そういえば3~4月に読んでいた記憶がある。これも講談社エッセイ賞、かつ女流文学賞受賞作。

Amazon幸田文の『流れる』のレビューを読んでいるときに「こんなに美しい日本語を読むのは須賀敦子以来」という一文が目に留まり、流れるようにポチった一冊。文章が美しい作家の本を読むのは私の趣味であり、名も無きレビュアーさんはみんな師匠。

師匠が称賛するとおり、尋常じゃないくらい美しい文章の妙技を味わる極上の名エッセイでした。

いまはもうその姿を変えた、1960年代の霧が立ちこめるミラノ、二度と会えない愛しい友人たちの思い出が、柔らかい、知性豊かな筆致で語られる。ここではないどこかへ連れてくれて行ってくれる大人の一冊。名作です。



以上、11月に読んだ6冊でした。

またしても同人誌のしめきりが迫ってバタバタしているので、11月の振り返りはできないかもしれない。11月-12月でまとめてしまうか、すごい簡単に書くか。11月は目立って出かけず、ほぼ毎日紙の日記を書いていたので、ブログにあえてべつで書くことがそんなに無いかもしれない。(なのになぜ同人誌の原稿がいまだに書けていないんだ?!!??!!)

 

2023年の最終月、一日いちにちを大事に過ごしていきたい。

 

2023年10月の振り返り

ぐんと秋めいて、たくさんお出かけをした月となりました。

インプットもはかどって、本も漫画も映画もいろいろ摂取するなど、わりといい感じの一ヶ月だったと思います。

それにしてもことしの残りがあと2ヶ月とは! 一年って短いなぁ。

 

 

 

1week

 

嫌がらせ人事でチームの人員が一人いなくなったことが、思ったよりも精神にくる。ただでさえ低い仕事のモチベーションがダダ下りで一ヶ月がスタート。

 

 

精神安定パンケーキ



女友だちとなんばで二人飲みに行く。

 

洋食堂ホソカワをセレクトしたところ、大ヒットなお店でした。超美味しかった!

 

maps.app.goo.gl

 

 

アジフライ、洋風おでん、カキフライグラタン

 

一緒に飲んでいた友だちは関ジャニのオタクで、いまもジャニーズにくわしいため、ずっと気になっていた「ジャニオタはいまの性加害問題をどう考えているのか」という質問を軽い気持ちですると、なんといまでもジャニーズの味方でいるファンは、この何百人も被害者がいる性被害を「虚偽」だと考えている、といった趣旨のことを言われ、驚きのあまり「え…そうなの?」となってしまう。

かろうじて、でも文春を名誉棄損で訴えたときの裁判で、ジャニーさんは負けたんじゃなかった? と訊くと、きっぱりと負けていないと言い返されて、私もくわしいわけではないので「そうなのか…」と丸めこまれてしまい、後日判決文を見たくてネットで調べてみると、裁判所が2004年にジャニー喜多川性加害を認めていることがわかったので、ジャニオタの認知の歪み具合が怖くなる。

べつにジャニーズのファンをやめろとは思わないし、好きな気持ちや大切な思い出は持ちつづければいいと思うけれど、そのために真実から目をそらすことは間違っている。

相反する命題を抱えたまま好きでいつづけることが出来ないのは、ネガティブ・ケイパビリティの弱さなんだろうか。

そして私は今後この友だちとどう付き合っていくべきなのか…と、もろもろ考えさせられる。

 

 

翌日、京都府伊根町に向けて出発するも、バスに乗り遅れる。

時間がぎりぎりだったことに加え、バス乗り場を知っていると勘違いしていたせい。失意のなか、近くにある名喫茶店『キャビン』で朝ごはんを食べる。

 

珈琲艇CABIN

 

貸し切り状態でした

 

この時点では2時間後のバスに乗って、予定をすべて後ろ倒しにしようかと思っていたけれど、チーズトーストを食べながら冷静になってくると「無茶では?」という結論になり、ただなんばをブラブラする休日となる。

なんばパークスのスタバでお茶して、パークスシネマでピクサーの『マイ・エレメント』をすべりこみ鑑賞して号泣したのち、大阪を代表するうどんの名店『き田たけ』でちく天うどんを食べる。



すすってもすすっても無くならない無限麺



いま思い出してもよだれが出そうなくらい美味しい、理想のうどん麺だった。讃岐うどんじゃなくて、ちゅるんちゅるんで芯にだけコシがある麺。あとちく天の衣もレベルが高かった。

量が多すぎたのと、うどんつゆが自分好みでないところ(かつお優位のキリッとしたおつゆ)が惜しかったけれど、また食べたい。

 

maps.app.goo.gl



2week

 

地獄の5連勤ウィーク。ふだんは水曜と日曜が定休日なのに、火曜から土曜まで働くはめに。

おまけに朝晩が冷えるようになって、鼻が週7で絶不調になる。寒暖差アレルギー持ちなんだけれど、年々ひどくなっているように思う。もともと皮膚や粘膜が薄いので不可抗力の部分もあるにせよ、寒暖差アレルギーは自律神経の分野なので、8月以来ヨガに行っていないことも地味に影響していそう。

5連勤の合間に美容院に行ったり、ナガラビットカフェの新作カヌレを食べたり、サル食堂でトンテキ定食を食べるなどする。



最高傑作・かぼちゃのバタークリームカヌレ



中央公会堂でやっていた中之島文楽へ行った。

 

 

 

人形浄瑠璃を見たことが無かったので、ビギナーにもやさしいイベントなんてまさにうってつけ。どんなものなのかなーと期待していたんだけれど、4連勤めだったこともあって、途中で寝る。

そもそも、はじめに解説のひとが「鬼は女のひとだけなんです。女のひとのほうが、嫉妬深いということで…」みたいなことを言い出したときから、おお、いまどきそんなこと言うのか…と若干引いていたこと、舞台が始まったときに勢ぞろいしていた、太夫・三味線の「全員男」の絵面に、一ヶ月前の第2次岸田再改造内閣の「副大臣政務官54人全員男」が想起されて、わりと萎えてしまったことも大きい。

 

文楽の演目は「日高川入相花王 渡し場の段」だったんだけれど、ラストの川を渡る場面で、女の子の人形を、人形遣いと黒子二人の三人の男が群がるようにして運んでいる絵面に、「文楽、そら滅ぶわ」の気持ちになりました。

女を排除した世界で男だけで人形遊びをしている文化なんて、後世に残らなくていいです。



3week

 

おでかけウィーク。

一周目のリベンジを果たして、京都府伊根町に行きました。

 

伊根町

 

舟屋群

 

京都府の最北に位置し、昭和の頃のすがたを残す舟屋群で有名な、いまも漁業を営む町である伊根町

10月の日本海と空がどこまでも青く、時間が止まっているかのようにゆったりとした穏やかな空気に包まれた場所でした。

 

 

養殖場もある

 

 

かもめ船の船上から、ウミネコ、トンビ

 

 

虫と鳥の声しか聞こえない、静まり返った舟屋群を散策していると、その日の朝、なんばから高速バスで福知山まで行き、その後タイムズシェアカーを使って伊根まで北上、帰りはバスの時間に間に合うように15時半には出なくては…とせかせかと生きる自分がむなしくなったので、天橋立あたりで一泊して、時間を気にせずゆっくり回るのがベストだと思う。

 

 

舟屋の裏側

 

 

舟屋カフェ

 

 

もっとゆっくり回りたかったなぁ〜

 

 

黄檗ランタンフェスティバル

 

宇治市黄檗駅すぐの萬福寺でやっているインスタ映えイベントへ行きました。

 

 

 

 

 

萬福寺は江戸時代の初期、中国の仏教僧隠元琦がひらいたお寺で、建造物も庭も中国明朝様式。ランタンも中国で制作した「中国ランタン」で、異国情緒にあふれた見事な景色が広がっていました。

 

 

暮れなずむ空との調和もよかった

 

🐝

 

狛犬

 

 

狛犬ドアップ

 

孫悟空

 

事前情報を何も仕入れずに訪れたこともあり、期待を超える楽しさでした。まだ開催2回めらしいので、穴場かも。

 

 

🦌

 

ホネホネサミット2023

 

長居自然史博物館で開催のイベント『ホネホネサミット』へ行きました。

 

公式HPよりお借りしました

 

長居自然史博物館のホネといえばのザットン

 

 

ホネホネサミットとは、全国の博物館、研究者が一同に会して、コレという骨を開帳する一大イベント。コロナもあり、ことしはなんと6年ぶりの開催だったそう。

私も初めて訪れたのですが、会場は知的興奮と学術的探究心に満ちた、まさに博物館らしい独特のエネルギッシュな空間で、ものすごく賑わっていました。

 

 

各地の猛者の自慢のホネ

 

 

クマの手の剥製手袋

 

来場者はプロアマ問わず研究者たちが多かったですが、子どもたちや一般の参加者も楽しめるホネワールドが形成されていて、すごく面白く見て回りました。

 

 

この日は絶好のお天気だったので、ホネサミ観覧後は植物園に。

 

 

🌲

 

長居の植物園には何度か訪れていますが、いつ来ても植物がむちゃくちゃ美しくて、その美に癒やされて元気になれる場所だなぁと思う。しみじみと良いところ。

 

10月28日は、カピラリスが見頃でした。

 

 

ミューレンベルギア・カピラリス

 

 

美しい赤紫色の穂

 

 

ダリア

 

 

コスモス🌼

 

 

4week

 

よく遊び、よく外食した週。

 

久しぶりにお寿司をいただく🍣

 

🍣

 

 

🍣🍣

 

 

水曜日、やっとヨガに行く。

2ヶ月行っていなかったので、全身ガチガチでレッスンが終わるとボロボロになる。やっぱり最低でも月に一回行くべきであることを痛感。

が、水曜午前のヨガはスケジュール的に厳しくて、このヨガ教室は日曜はお休み。私が一週間でいちばん暇なのは月曜日17時以降なので、この曜日にヨガをするのが個人的にベスト。となると、月イチでヨガをしたいなら、自分の都合に合ったほかの教室を探したほうが良いんだよな~と、これまでにも何度か思ったことが現実味を帯びてくる。

 

ヨガのあと、ベトナム料理屋さんでランチ。

 

フォーとガパオライス

 

むちゃくちゃ美味しかった。自家製であるという、フォーの麺がもちもちで最高。

ベトナム料理屋さんは本格的なお店よりも、このお店ぐらいの、日本ナイズされたもののほうが自分の好みであることを認識する。タイ料理は本場寄りのほうが好きなんだけれど。

 

 

クルマ活動として、おなじみのデカい池公園にもひさびさに行った。

 

 

映えてる

 

 

映え~  

 

秋の気配が強まりつつある公園を散歩していたら、途中で天気雨が降りだして、午後の金色の光のなか、輝く糸のような細い雨が池に降り注ぐさまがきらきらと輝いて、現実ばなれした美しさだった。

 

 

コスモス畑🌼

 

 

木曜日、週末の「生きた建築フェスティバル大阪」通称イケフェス大阪のプレイベントに行く。

 

イケフェスとは☞

ikenchiku.jp

 

 

 

13日に文楽に行ったあと、文楽はともかく、中央公会堂が最高すぎるな~~~と改めて感じたため、なにかイベントがないだろうかと中央公会堂のHPをサーチしていたらこのイベントを見つけたので、リサーチは大事だなと思いました。

 

 

中央公会堂

 

 

大集会室

 

 

特別室

 

トークイベントはまぁ無料だし聞いておくか…という気軽な気持ちで行ったら、NHKも協賛している、すごくしっかりした充実の内容だったので、いい意味で裏切られました。

NHKのプロデューサーは当然のこと、近大建築学部の高岡准教授、チェリストの鷲見敏さんもすごくトーク力が高いうえ、最後には会場の中集会室で無伴奏チェロソナタの演奏があるなど、すばらしく贅沢なひとときでした。ひとりで行ったのがもったいなかったくらい。

 

 

翌日と翌々日は二晩つづけていつものボドゲ会に行く。

 

 

お察しください

 

両日ともぜんぜん写真を撮っていなかった。

レジスタンス:アヴァロンをプレイするのがたぶん5回目くらいだったんだけれど、やっと完全にルールとプレイ方法を理解することができ、はじめて楽しめた気がする。

 

二日目は『お邪魔者』と『ゴモジン』で盛り上がった。

 

 

 

 

 

 

日曜日は梅田のちゃやまちプラザにて開催の『都市伝説展』へ。

 

hakabanogarou.jp

 

トラ仕様のらいよんちゃん

 

会場にはなつかしのコックリさん、口裂け女はもちろん、過去50年に渡る都市伝説を網羅した展示物が所狭しと並べられていて、見応えじゅうぶんだった。

 

 

右下はMOMOちゃん

 

閲覧注意

 

パネル展示はもちろんのこと、各地のオカルトオタクによって収集された現役の呪物の展示がまがまがしくて面白かったです。

都市ボーイズのはすみ氏の講演会があれば行ってみたい。

 

都市伝説展後は、怖いものをいっぱい見た反動で、可愛いものを食べようということで中崎町の『太陽ノ塔cafe別館』に。

 

フランボワーズムースと、モンブランwithハロウィン🎃🦇

 

初めてこのカフェに訪れた春以来、さいきんはここへ行ったことが無い友だちはみんなここへ連れこんでいる。

 

今回初めて2階の席に案内されたところ、階段上の本棚に並んでいたマンガのラインナップが意外すぎた。

 

 

なんでヤンキー漫画まみれなの

 

 

ということで、いつもよりも写真が多くなった、もりだくさんの10月でした。

残り少なくなった2023年、悔いのないように過ごしたい。

 

 

 

2023年10月の読書記録

10月の読書冊数はきりが良い10冊でした。200ページに満たない短編集や、読みやすい本も含まれているとはいえ、難解だったり、読んでいて全く楽しくなかった本も同じくらいあるので、私にしては快挙です。

去年も10月に読んだ本の数が最多だったので、10月にはなにか私を読書に没頭させる空気があるのかもしれない。読書の秋とはよく言ったもの。

それでは以下、10月に読んだ本です。

 

 

神立尚紀カミカゼの幽霊』

 

ひさびさのノンフィクション。

太平洋戦争末期の1944年、もはや覆えしようがないほどに悪化した戦況下で生まれた特攻兵器「桜花」。

重さ1.2トンの爆薬に翼と操縦席をつけた、操縦兵もろとも敵機に突っこむ狂気の人間爆弾を発案した男、大田正一は、終戦3日後に遺書を残し訓練機で基地から太平洋に向かって飛び立ち、洋上で死んだはずだった。

じつは死んでなどいなかった大田は、戦後無戸籍のまま「横山道雄」として生き、大阪で所帯を持って幸せな家庭を築き、1994年に83歳でこの世を去った。衝撃のノンフィクション。

あらすじを知ったとき、思わず「なに生きとんねん」という率直なヘイトが浮かび、その後すぐに「どんな思いで生きつづけたのか」と興味が湧いて読んでみたけれど、当の大田正一はすでに亡くなっているので、その思いは残された家族や、彼を知る人びとの口から断片的に語られるだけで、真意は読み手が想像するしかありません。

本書は元零戦搭乗員の聞き書きなど、多数の零戦関係の著作で知られるノンフィクション作家である著者が、綿密な調査と取材のもとに書いたものなので、太平洋戦争の戦況や、特攻兵器が生み出された事情がとても詳しくわかりやすい。

特攻兵器は非人道きわまりない史上最悪の兵器だけれど、それは暴走した狂気が生んだわけではなく、無能な上層部の無茶ぶりに、疲弊し麻痺した現場が応えたという、非常に「あるある」な、今後も繰り返されかねない凡庸さがあって、うんざりしつつもぞっとする。

読後とても複雑な、やりきれない気持ちになる一冊。



多和田葉子『献灯使』

 

現代日本文学で非常に重要な位置にいるらしい、ということはうっすら知っているけれど読んだことがなかった作家の、まだ読みやすそうと思える短編集に挑戦し、無事敗北。

文章が美しいことや、レトリックやことば遊びが独特で巧いことはさすがにわかるけれど、それ以上の、著者は何を書こう(表現しよう)としているのか、みたいなものが、私にはさっぱり掴めない。

人生でときどき、ものすごい、本物の読書家の人びとが絶賛しているけれど、私にはぜんぜんちっともさっぱり良さがわからん、みたいな作家に出会うのだけれど、そこに「多和田葉子」が加わったと言える。ここには恐らく「大江健三郎」も入る予定。



丸谷才一『樹影譚』

 

司書のフォロイーさんがすごい誉め言葉で賞賛されていたので気になって読んでみたけれど、これも感想が述べにくい、巧みな文章で紡がれたふしぎな物語でした。べつに好みではない。エモーショナルさも無い。



ヘレン・マクロイ『歌うダイアモンド』

 

8月に読んだ同じ著者の『幽霊の2/3』がまぁまぁ面白かったので、もっと面白いものはないかと探したところ、評判の高い短編集である本作が見つかりました。

収録作のひとつ『シノワズリ』と『風の無いところ』はわりと良かったけれど、あとは古くて面白味はさほどなく。初刊行が1965年なので仕方がないですね。



面白くない本ばかりがつづいて、読書の喜びというものをちっとも味わえない日々がつづくのですが・・・



向田邦子『隣りの女』

 

むちゃくちゃ良かった。

なにげなく本棚にささっているのを読んで「何故私が読んだことの無い向田邦子作品が私の本棚に??!」と驚いたくらい、買ったことを忘れていたものの。

表題作も天才でしかないけれど(書きだしが【ミシンは正直である。/機械の癖に、ミシンを掛ける女よりも率直に女の気持ちをしゃべってしまう。】とかもう、神の御業、何回人生やったら思いつくん)、私のなかでこれをさらに越えてくるのがラストの『春が来た』でした。ことし読んだベスト短篇小説としたい。

原稿用紙にしてたぶん40枚くらいの小説で、物語のラストでテーマがくるっと反転するさまが本当に鮮やかで、この短さでここまで出来るのかと感嘆したし、すべてにおいてお手本のような短篇小説だと思う。

1981年に52歳で事故で亡くなられた向田邦子さんの、これが絶筆となった小説であることが、本当につくづく惜しい。

『隣りの女』収録の、『幸福』や『胡桃の部屋』は、『思い出トランプ』に収められた作品とはやや趣向がちがっていて、どうも向田さんは、これからはこれまでとは少しちがった作品や、長編小説を書こうとしていたのではないかという気がしてならないのです。

あと『胡桃の部屋』は、向田和子さんが書いた『向田邦子の恋文』を先に読んでいると、いやもう、どう見ても桃子≒向田邦子やないか!! と叫びたくなるので、『向田邦子の恋文』もおすすめ。



長谷川まりる『杉森くんを殺すには』

 

くもん出版のYA小説。ふだん読まないジャンルだけれど、これも司書のフォロイーさんが絶賛されていたので気になって。

とても良かった。あんまり読めていないけれど『スキップとローファー』のような令和時代の少女漫画みがある。

友だちの杉森くんとのことで、心に傷を負った高校一年生の主人公・ヒロが、自分のなかで問題を決着させるまでを描いた物語。

同級生の良子さんが言う「友だちが友だちじゃなくなるとき」が、あ~~~わかる~~~~ほんまにそれ~~~~~と、自分の経験と照らし合わせて身に沁みた。ちゃんと仔細メモっておけばよかった。良い物語でした。



津野田興一『まるわかり近現代史

 

近現代の日本および世界の歴史についての知識が手薄である自覚があるので、気軽にかつちゃんと学びたいという思いがつねづねあります。

ということで、いかにも入門編といった趣きの本書を。高校教師である著者が、東大や阪大の試験問題をじっくり解説する形式で、ヨーロッパ、アメリカ、日本の近代から現代の歴史をひもといていきます。

学生時代、歴史はもともと好きな教科でしたが、大人になってから学ぶと、これまでに蓄積されてきた知識と知識のあいだに橋が架かっていくようで、非常に面白くて興味深い。

日本の近代史を多少なりとも学んでいくと、アメリカ史についても学ぶ必要性を感じるものですが、本書を読んでますますその思いが強まりました。中国の近代史もすごく学び甲斐があると思う。

パレスチナ問題についても一章を割いて説明されているので、理解が少し深まりました。19世紀から20世紀にかけて、500万人以上のユダヤ人がアメリカに移り住むようになったので、アメリカの政権はユダヤ人票のためにもイスラエルを優遇しているなんて、ちっとも知りませんでした。

(あとそもそも、パレスチナ問題ってなんとなく、宗教がらみの争いなのかと捉えていたのですが、普通に領土問題だったんだなって…。恥ずかしながらこれまで知らず…)

高校生でも理解できるレベルの新書で、とてもわかりやすかったです。



絲山秋子沖で待つ

 

表題作は2005年の芥川賞受賞作。芥川賞にしてはすごく読みやすいしわかりやすい、じんわりと沁みてくる物語でした。なんなら2023年のいま読むと安易なほどの物語で、この当時の芥川賞っていまとは選考基準がぜんぜんちがうのだろうか…とも思ったけれど、もしかして、これまでの文学で描かれてこなかった「関係」を描いた小説が芥川賞なのかもしれない。

沖で待つ』は20年弱の付き合いになる、会社の同期の男女の絆を描いた作品。恋人でも家族でもない、けれど一日でいちばん長い時間を共に過ごす同僚、それも同期が死んだところから始まる物語。しみじみとした良さがあった。



ソン・ウォンピョン『他人の家』

 

前作『プリズム』が面白かった作家の、最新作短編集。すっごい良かった。

著者の初邦訳作『アーモンド』は未読なんだけれど、これまた良かった本作収録の『箱の中の男』が『アーモンド』のスピンオフと知って、がぜん『アーモンド』も読みたくなった。というか、本作によってソン・ウォンピョンという作家に、ものすごい信頼を抱くようになったと言ったほうがいい。いままで読んだ韓国文学で、カン・ファギルを越えていちばん好きな作家になった。

四月の雪』も『他人の家』も『箱の中の男』も、ソン・ウォンピョンの書く物語は、突飛じゃないのに斬新で、これまでよく知っているつもりだった風景を、初めて立つ場所から見せてくれるような趣きがある。まるで手品師のような、素晴らしい才能を持つ作家だと思う。今後推していく。

 

 

森バジル『ノウイットオール』

 

同じ街を舞台とした群像劇の短編集にして、オール別ジャンルという意欲作。面白かった!

第一章「推理小説」はただただフーンという姿勢で読んでいたけれど、第二章「青春小説」がページをめくる手が止まらない面白さで、電車で読み始めたけれど、降車してからも本を閉じることが出来ず、駅のホームベンチで読み終えました。こういう感覚をもたらしてくれる小説は久しぶり。

「青春小説」が最高傑作だけれど、もちろんそれ以外の短編も面白かったです。ラストの一行にも痺れた。

それにしても、『成瀬は天下を取りに行く』も『ノウイットオール』も、同じ時代に書かれた新人賞で、どちらも「高校生がM−1グランプリを目指す」というネタが被ったシンクロニシティが面白い。

 

 

以上、10月に読んだ10冊でした。後半で軽めの読書がつづいたので、11月はまた違ったテイストの読書がしたい気分。

 

2023年9月の振り返り

9月はなんと言っても人生初めての文学フリマ出店に総括されると思いきや、ほかにもあれこれ楽しいアクティビティが控えていて、よっしゃあ、ことしいちばん楽しい月にしたるぜ~~~と意気ごんでいたら、下旬は大失速して停滞していました。為替相場か。

振り返ってみるといつもどおりだったとも言えるけれど、反省点や課題も見えたので今後に活かしたい。



 

 

1week

 

梅田ラテラルで開催のトークイベント「村井理子×小川たまか×ふじさわ「ほとんどない」ことにされている『射精責任』の話を。」へ行きました。

 

 

lateral-osaka.com

 

初めての梅田ラテラル、SNSや著作では存じているけれど、初めて実物を見る村井理子さん、小川たまかさん、ふじさわさんにテン上げ。

『射精責任』をリアルで読んでいるひとを周りで見かけないので、室内に集まっている読者仲間の存在を目にして、静かに勇気づけられるような思いになりました。また最前列は友達同士らしい若い女性4人が陣取っていて、いいな~~と心が温まった。彼女たちの未来に幸あれかし。

ちなみに私は小川たまかさんのニュースレターも登録していて、ハイボール好きなことは知っていたけれど、目の前でみるみる酔っぱらわれる姿にちょっと驚いた。これがアルコールOKのトークショーの醍醐味なのか。

 

トークイベント後、秋服をひととおり買いに行く。

とてもとても美しい最高きゃわわ秋ワンピを買うも、残暑がひどくて10月まで袖を通せなかった。

 

9月一週目はこれ以外特に遊びに行くこともなく、仕事終わりにあれやこれやと文フリの準備をしていた。

 

gonzarezmm.hatenablog.com

 



2week

 

文フリお疲れさまウィークとして、ひたすらおのれを甘やかす。

 

 

芋フラペチーノ

 

ヤキニク

 

金曜日には文フリ打ち上げ会と称して、アンソロジー参加者にねぎらってもらう会を自ら主宰。

たくさんねぎらってもらったり、褒めてもらったり、持ち上げてもらって大・大満足。

参加してくれたみんなたちは予想以上に私に感謝してくれ、また文フリの成功に喜んでおり、すぐさま次の企画が持ちあがるくらい盛り上がって、とても幸せな良い飲み会でした。

楽しすぎて写真を取り忘れたことが悔やまれる。

 

京都市動物園のナイトズーに行く。

 

 


ナイトズーに行くのは初めてで、3歳のお子さんがいる京都在住の友達を誘ってみたら、一家で参加してくれてすごく楽しかった。

 

 

タイガー



 

 

スヤッ

 

 

動物園の動物たちの夜のすがたは、昼間のそれとはぜんぜんちがっていて面白い。

 

 

 

アメリカバク

 

 

おめめがキュートなヘビ

 

 

めっちゃ動くカメ

 

必見は、なんと言ってもゾウ。

 

 

ぱおん



 

夜のなかで認識する匂いや息吹といった存在感が圧倒的で、ちょっと恐ろしさを覚えるほどに迫力があった。

 

 

ぱおんぱおん



 

メーンイベントのゾウの夕食タイムは小さい子たちとかぶりつきで見物。ちびっこの連れ(友達のお子)がいるからきまずくない!

 

 

テテテー(巨体)

 

ゾウははじめ、自分ひとりだけ見物客の前で食事をさせられるのが嫌で、ほかに3頭いる仲間のもとに戻りたくて奥にある扉をこじ開けようとするも(すごい轟音だった)、あきらめて我々の前にやって来て食事を開始。

 

 

むしゃー

 

 

 

スペシャルディナーとして用意されたバナナの葉をいちばんに食べ終えてから、器用に鼻を使ってりんごを食べていました。

 

 

 

🍎

 

 

りんご、鼻が届かない…

 

すごく面白かった。

 

ナイトズーは17時から20時までと短いけれど、そもそも展示エリアが制限されているので、仕事帰りに2時間くらいぐるっと回ってちょうど良いというコンパクトさも良かった。

 

日曜日は劇団ながらびっとの第7回公演でした。

 

 

gonzarezmm.hatenablog.com

 



3week

 

実はなんと、金曜日にシルク・ド・ソレイユの2023大阪公演「アレグリア」のチケットをとっていました。親孝行を兼ねて母の分も2枚。思い立ったのが遅かったこともあり、2枚続きはこの日しか取れなかったため、会社も休む気合いの入れよう。

ということで木曜日は3連休前にあたり、友達と飲みに行くことに。

春ごろにTwitter(X)でバズったことで知った、堂山町で働きたくない店主がやっている「梅羊肉串」が開くまで、ひとまずは天満に潜伏。

 

 

 

天満の「新多聞酒蔵」、お店の前を通ることは数えきれないほどあったけれど、マレーシア人夫妻がやっている、すごく本格的で美味しいアジア料理が食べられるお店ということは寡聞にして知らなくて、初めて行きました。

 

 

特製タレのスペアリブ&麻婆豆腐



むちゃくちゃ美味しかった!

 

となりの人が食べていたトムヤムビーフンが、これまたむっちゃ美味しそうだったのでまた行きたい。

 

そうこうしているうちに無事に「梅田羊肉串」が開店したので移動する。

 

このお店は店主のさじ加減で開いたり閉まっていたりするほか、雨の日はたいていやっておらず、この日は前々日から2日続けて休業していた状況だったので、雨が降りそうな天候のなか、友達と誘い合わせて行くのは博打の側面があったのです。

二人とも入店条件も満たしていたので(店主のアカウントをフォロー)、入店を許可され、あとはポーカーをしたり、ひたすらしゃべったり、飲んだりしていたのですが・・・

 

 



 

 

気がつけば終電&泥酔。

 

しかも環状線内で居眠りしてしまい、0時半に目が覚めて降りた駅からタクシーを拾って帰宅。お会計12,900円也。

泥酔したけれど、そこまで飲み食いしていないので、大して吐かなかったのが幸いでした。(吐いてるやん)

 

そうまでして家に帰ったのは、もちろん金曜日のアレグリアのため。

7時頃に目覚め、シャワーを浴びて、ベースメイクをして、上半身だけ着替えたあたりで、二日酔いの回転性めまいに耐え切れなくなりついに力尽きました。

 

あかん、無理。

 

アレグリア、行けへん。

 

「ごめんやけど、母だけでも行ってきて…」と言うと、母は「ありえへん!!!」と唾棄して出かけて行きました。

 

アレグリアのチケット代、13,000円がパァに。

 

金曜日は寝て過ごしました。

土曜、日曜もほとんど家から出ることなく過ごしました。カスみたいな3連休。



精神がダークサイドに堕ちているあいだ、よしながふみ『大奥』を読む。

 

 

13巻くらいまでは既読だったので、家重編が始まる8巻から読み返して、やっとこの壮大な歴史改編SFを読み終えました。

漫画史に残るだろう、本当によく出来た素晴らしい物語だったと思います。

2004年から連載が始まって17年。今回読み返してみると、若いころは気づかなかった精密な時代考証の手跡にも感心しました。

物語のラスト、アメリカに向かう船の上で胤篤が出会い、バトンを渡した相手が6歳の津田梅子というフィナーレもじつにドラマティックでよかった。

それにしても最終巻で瀧山に美少年の小姓がついて、大奥が取り潰されるさいに彼の養子となり、明治の世ではすっかり渋く成長して義父を支えているのが、最後の最後によしながふみが「このカプで薄い本お願いします、長年の私の働きに対するご褒美にどうか」と言っているようにしか思えず笑った。



4week

 

職場の所属チームの50代おじさんの送別会をする。

この人事異動はぎょっとするほど異様、かつ急な異動で、その後分かったことなどから推考すると、私のサラリーマン人生で初めて目の当たりにする「嫌がらせ人事」であったことから、送別会も非常に盛り下がる。

おじさんと同年代のおじさん社員たちも課を超えて参加しに来てくれるも、このおじさんたちがまた、ひとの送別会に何をしに来たんだ? と思うくらい、馬鹿みたいに飲んで食べて騒いだあげく、ろくに金も払わなかったので未だに許しがたい。

この会でつくづく、深刻な愚痴酒は体に悪いことを学ぶ。前週の梅田羊肉串で私が珍しく泥酔したのはまさにそのせいで、今回の酒はおじさんたちが潰れていって、どちらも非常に後味が悪かった。愚痴酒だけは本当に駄目。私の場合、カラオケとかに行ったほうが絶対にいい。要は気持ちが浮上するもの。

 

愚痴酒でろくなことにならなかったので、ひさびさにナガラビットカフェへ2日続けて遊びに行く。

いろいろな話で盛り上がってリフレッシュした。

 

緑橋の「ホンのジカン」にも7月ぶりに行く。

自分の手元から生まれた紙がこすれる音が、室内にほどけて消えていくところまでが聞こえる静けさが、本当にすばらしいと改めて実感した。

 

ホンのジカン



 

あと7月に訪れたときに香っていたお香の名前を教えてもらう。

 

shourindou.com



淡路島のお線香屋さんの線香とのこと。

すごくおしゃれで知的な雰囲気を持つ良い香りなので、私も手に入れたい。