ごんブロ

だいたい月に一度、本や映画の感想を書きます

今年の読書目標をすべて達成しました

昨年の終わりに2021年に読む本の目標を立て、10月31日に無事それを達成したことをご報告します。うれしい! ☞昨年の目標と振り返り、および今年の目標 gonzarezmm.hatenablog.com 自己満足のために読んだ記録と所感をブログに残しますので、本の話を読むの…

【感想】絶対に読んでほしい、勇気に関する物語 ―カン・ファギル『別の人』―

最近一番羨ましいのは、私の話を何の意味もないと思える人のことだ。私も、自分を理解に苦しむ女だと思いたい。そういう目で自分を眺めてみたい。永遠に理解できず、わかりたいとも思わない、自分とは完全に別の人。 (引用:カン・ファギル『別の人』P12) …

『3月のライオン』16巻を読んで「この物語苦手かも」と思ったこと、そして自分のこと

『3月のライオン』16巻を読みました。 3月のライオン 16 (ヤングアニマルコミックス) 作者:羽海野チカ 白泉社 Amazon 羽海野チカは私にとって、特別な作家の一人です。14歳で出会い、20代のすべての季節に羽海野チカの存在はありましたから、思えば長い付き…

今月の「気が弱くて自分の本音が言えなかった」事例とともに振り返る近況と、初めて訪れた文学フリマのこと

気が強いか弱いかで言えば間違いなく強いほうの人間なのですが、うっかり気が弱くなって相手の言うなりになる瞬間というのももちろんあり、そういうことがあった日の夜は「やっぱり断ればよかったな…」と床に座りこんで膝を抱きしめています。今回ブログで反…

実家にもどって暮らしてだいたい1000日が経った雑感

2018年11月初旬に実家にもどり、5年に及ぶひとり暮らしにピリオドを打ってだいたい1000日(2年9ヶ月半)が経ちました。 私が実家にもどった理由は大きく分けて三つあり、 ・ひとり暮らし飽きた&寂しい ・ひとり暮らし恐い(5年の間に住んだ2件の部屋にて隣…

最近日常であった印象的なことと雑談

最近の日常であった印象的なことを書きます。 私が勤めている会社は、大阪でもいわゆる一等地と呼ばれる土地にいちおうあるのですが、戦争の空襲被害が無かったことや、土地に根付いた産業があることなどから、昔ながらの家並みが残っていたり、何世代にも渡…

『100万回生きたねこ』を唐突に理解したので書く

佐野洋子の『100万回生きたねこ』という絵本がある。めちゃくちゃ有名な絵本なので、みんな知っていると思う。何度でも転生できるふしぎなオスねこが、何度も生まれては死に、100万回目のねこ生においてある白いメスねこと出会い、死に、二度と生き返らなか…

551があったころ

せんだって、明け方から発令された大雨洪水警報によって保育園や小学校が閉まり、急きょ子どもを預かってくれた義母へのお礼の手土産を何にしようかと会社の先輩が悩んでいた。いわく、こういう時はいつもケーキを持って行くが、どうやら義姉も義妹も義母に…

メメント・ボウコウエン

完全に忘却してしまう前に、今年の1月に膀胱炎になった時のお話を書いておきます。 何故ならこの膀胱炎は人生二度目で、なんと一度目になった時の記憶がほとんど無いことに気付いたため、なんとしても三度目を起こさぬよう備忘録として書き、骨身に刻んでお…

32歳にしてようやく政治と向き合わざるを得なくなったという話

一年前から、政治について考えるようになった。おかしなことではないし、私だけではないと思う。それくらい、2020年は特別な年だった。緊急事態宣言。一律給付金。アベノマスク。どれもこれも人生で初めての経験だった。考えないわけにはいかない。霞が関で…

ごんぶと日誌(2021.3.30~4.7)~さらばオヤシラズ編~

3月30日(火)晴れ 朝8時から支社での予算会議があったので、7時半に出社してウェブ中継の準備をする。今日の仕事はこれで9割済んだようなもの。月末の業務をすべて先輩に押しつけて、11時半に退社して福島の寿司屋に向かう。 たらふく食べたあとは梅田のひ…

久しぶりの日記とバー日誌(3月19日~28日)

去年の日記を読み返してみると、やっぱり自分にとっては面白かったので、また不定期に日記をつけてみます。 3月19日(金)晴れのちくもり 近ごろずっと副社長の『落としこみ』と呼んでいる業務に関する作業をしており、今日はついに課員・課長むけの『落とし…

aiko,あるいは魔女,永遠の少女性

aiko- 『ストロー』music video aikoってなんか変じゃないか? と思い出したのは、さかのぼること三年前、2018年5月にリリースされた『ストロー』を聴いた時だった。 繰り返される「君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる」の歌詞と、陽…

人間ははがすことが好き

いきなり性癖の話で恐縮だが、私は「はがす(peel off)」という行為が大好きである。 子どものころから家族の日焼けしてめくれた背中の皮を夢中でむしっていたし、今でも乾燥した自分の唇や指先の皮を無意識にむしっている。愛犬の雄のプードルは時々体に小さ…

2020年に読んだ70冊の中から特に良かった10冊を挙げる

2020年はかつてなく本を読んだ一年となりました。昔から本はよく読んでいましたが、一年間で一般文芸をこれだけ読んだのは、31年の人生で初めてだと思います。 そんな2020年に読んだ本の中から、特に良かった10冊を選んでみたので、よろしければご笑覧下さい…

2020年課題図書の反省と2021年に読む本の選書方法

2020年は課題図書13作品を選んで読むという計画を企てましたが、結果は読んだのが5作品・挫折したのが2作品・読まなかったのが5作品という有様でした。 くわしい内容はこちら☞ gonzarezmm.hatenablog.com なぜこのような結果になったのかを考えたところ、以…

【2020年版】今年買ってよかったもの

こんにちは。今年は久しぶりに冬らしい冬がやって来ましたね。ここ二年ほどは暖冬だったので、本物の冬が来たような思いがします。 まさに気分はスターク家。 『冬来たる』 ゲームオブスローンが完結してもう一年か…。 今年は前代未聞のウイルス禍により色ん…

はり重に行った

二十歳から二十一歳までの二年間、難波にある専門学校に通った。 大阪のベッドタウンで生まれ育った私にとって、難波は広くて恐いきらびやかな大人の街で、目に映るものすべてが新鮮で、どこを歩くにも勇気が要った。 それでも一年が経ち友達が出来ると、わ…

寸借詐欺(?)を目の当たりにした話

だいぶ前の話をします。(メモ帳に書きっぱなしでブログに投稿し忘れていた) 少し前に、「寸借詐欺では?」と思うめずらしい現場に出くわしたので、備忘録として残します。 その日私は夜10時過ぎ、京都と大阪の境目にある街の駅から、大阪の中心部へ向かう…

【関係修復マニュアル】バ先のバーのマスターの謝り方がさすがに上手かった話

週五でオフィスワークして月三でバーテンのバイトをしています。 本業からきちんとお給料を得ているにも関わらずバイトをしているのは「地元で友達が欲しい」という理由からなのですが、働いて二年目になってもさほど友達が増えないため、最近ではバイトを辞…

お気に入りのものに名前や人格を与える行為について調べたあれこれ

先日友人とLINEをしていて、「私は子どもの頃、愛用していたものに名前をつけて愛でていた」という話になったところ、友人は大学生時代に先生から「愛用のものに名前や人格を与える場合、それは異性であることが多い」という話を聞いたと教えてくれ、興味深…

昔、とんでもなく幸せだった

物心がつく前から、二歳違いの兄とぬいぐるみを使い、毎日人形劇をして遊んでいた子どもだった。 ぬいぐるみ達には名前と性格が設定されていて、でたらめなりに世界観もあり、いくら遊んでも飽き足りなかった。実際、人形劇は兄が小学校を卒業した頃まで続い…

小説が持つ、書き手の精神を映し出す残酷な性質について

シナリオスクールに通い始めて二年目なのですが、そういえば小説の批評をしたりされたりする時に覚える気持ちについて書いたことがなかったなぁと思ったので書き留めます。 二年前、初めて自分の書いたエッセイを講師である小説家の先生に講評されて私が驚い…

コロナ痩せとマグネシウムオイルとゆるい防災

自粛の影響で外食と飲酒の機会がほぼなくなり、ついに体重が四十二キロ台になった。私の今の暮らし方だと(ものすごい山の上に家があり、平日は通勤と犬の散歩で一日八キロほど歩く)、消費カロリーが摂取カロリーを上回るらしい。おやつはちょくちょくセブ…

ごんぶと日誌(2020.5.6~5.12)オンライン飲み会やってみた編

五月六日 水曜日 「雨が降る前に帰っていいよ」と上司が言うので、十四時前に帰社した。家に帰ると十五時で、今日は四時間半くらいしか寝ていなかったので眠さMAXだったが、発作的に大きなバナナマフィンを二つ作り、焼きたてのそれを腹に詰め込んでから一時…

ごんぶと日誌(2020.4.28~5.4)~人は皆自分のことを○○○と思っている編~

自分で読み返すときに、どこに何を書いたか分かるよう今回から見出しを作っておこうと思います。 四月二十八日 火曜日 母が丹精した植物の中で最大の規模を誇るジャスミンが花咲いて、家中がジャスミンの甘い香りに包まれている。通りに面した地上から二階の…

ごんぶと日誌(2020.4.23~4.26)

四月二十三日 木曜日 今日はよくスーツを着る部署にいた時代に愛用していたローヒールパンプスを久しぶりに履いて会社に行った。かかとの部分が硬いなぁ、この靴久しぶりだものなぁと思っていたら、更衣室で脱いだ時に靴を持った指が濡れて、初めてかかとの…

ごんぶと日誌(2020.4.17~4.21)

四月十七日 金曜日 母は花が好きなので、家の猫の鼻くらいの面積に涙ぐましい努力と工夫を重ねて様々な植物を植えている。そのうちの一つ、モッコウバラが花の盛りを迎えている。淡い黄色の可愛らしいこのお花は、眞子内親王のお印でもあることを最近知った…

ごんぶと日誌(2020.4.13~4.16)

これからは四日分の日記が溜まったら投稿していきます。 という方向性が定まった、ただの日常の記録第七弾。 四月十三日 月曜日 きのうに引き続き今日も長雨の一日。気温も上がらず、葉桜の季節とは思えない寒さ。 とうとう今日、会社で新型コロナの感染者が…

ごんぶと日誌(2020.4.10~4.12)

四月十日 金曜日 『三島由紀夫レター教室』を読み終える。とっても面白かった。そもそも私は書簡体小説が大好きなのである。それに加えて三島由紀夫の書く日本語がどれもセンスがあって言葉の端々が美しくてたまらない。声に出して読みたくなる。 『それにし…